求人を募集するにあたって、求職者が求める情報をうまくPRできなければ、いつまで経っても応募は集まりません。一方で求職者のニーズさえ把握できれば、事業者の実態をうまく伝えられるようになります。
今回は求職者が会社について気にするポイントをまとめました。これを読めば希望の人材を集めるヒントがわかるでしょう。
求人票で応募を集めるポイント3つ
仕事を探す方が求人票に食いつくには、事業者側が働くイメージを想像させなければなりません。組織として透明性のアピールも大切です。何より求職者の考えを踏まえながら、求人票を作りましょう。多数の応募を受けるポイントを3つ紹介します。
働くイメージを想像させる
求職者にとって大切なのは、就職先で働くイメージを想像できることです。求人票の情報があいまいだったり、勤務形態しか載ったりしていないと、求職者に好印象を与えられません。仕事を探す方にとっては、就職後の社会人生活を想像しづらいでしょう。
自分にふさわしい就職先を探そうと、たくさんの求人票を見る方もいます。この場合、情報不足の求人票は無視するでしょう。以上を防ぐには、求人票の情報が具体的であることが大事です。企業理念や実績、主要業務、給料、有給休暇など、カテゴリーごとになるべく情報は補足的な部分も含めて仕上げてください。
求職者の不安をなくすためにも、重要な情報をはっきりと示しましょう。
組織としての透明性を大切にしよう
求人票を書くときは、組織としての透明性を大切にしてください。細やかな情報や実績があると、求職者も安心します。逆に情報が少なすぎると、やましいことがあるのかと疑う方もいるでしょう。
たとえば給料の下限から上限までの開示、休みの相場、地域ごとの時給の違いなど、一歩踏み込んだ情報開示が好例です。以上なら求職者も職場をイメージしやすいでしょう。求職者の立場を意識しながら、わかりやすい求人票づくりを考えてください。
このようにカテゴリーごとに、少しでも細かい情報があれば、仕事を求める方の安心につながります。
求職者が知りたい情報を考える
求職者が知りたい情報を求人票に書くように心がけてください。会社側が伝えたいことばかり書いてあると、信頼を得られません。会社のアピールに夢中になりすぎると、求職者に伝えるべき情報がおろそかになるでしょう。
会社側の伝えたいことと、求職者が求める情報にミスマッチがあってはいけません。都合のいい情報だけでなく、求職者が気にする情報を意識してください。事前に求職者が気にするポイントを踏まえておき、求人票の構成に役立ててください。
求職者が就職先について知りたいポイント6つ
求職者が就職先に求める情報を紹介します。会社のコンセプトから事業を進める意義、労働環境など主に6つです。以下を参考にしながら、求人票の構成を考えましょう。
会社のコンセプト
まずは会社のコンセプトを整理してください。求職者は就職先について、そもそものメイン事業を知りたいのです。そのため事業内容が具体的でなければ、敬遠を受ける可能性があります。求人票の情報不足は、仕事探しをしている方を警戒させてしまうかもしれません。
たとえば物流会社にもさまざまなカテゴリーがあるのです。海運業や倉庫業などの分類が見られます。なかにはラストワンマイルを引き受ける個人宅向け宅配ビジネスも含まれるでしょう。このように物流会社も、メイン業務が多種多様です。
事業者の主なビジネスについて、事実をありのままに伝えましょう。
事業を進める意義
次は事業を進める意義を考えましょう。求職者は事業の意義が自分と合っていれば、やりがいを見出すでしょう。給料や待遇に負けないくらい、やりがいは重要です。給料が高くても仕事に充実感がなければ、離職率が上がり、企業の信頼性に響くリスクもあるでしょう。
たとえば自身の仕事による社会の変え方を説明するとよいでしょう。ここに労働者にとってのメリットも添えるのもおすすめです。
社会貢献の話については、「時間どおりに荷物を届ける」というような、当たり前のことでもかまいません。そうしたことも積み重ねで業績を上げられたとアピールしても、食いつく応募者がいるでしょう。このように事業者の存在意義のアピールは、求職者とのマッチングに重要です。
求職者が就職後にやる仕事
求職者に対して、事業者はどのような仕事をやることになるのかを具体的に伝えましょう。営業や経理、商品開発など、それぞれのカテゴリーにさまざまな仕事があります。どの分野でも業務内容はなるべく具体的に書いてください。
ただ「経理」のようにカテゴリーを書くだけでは、相手に伝わりません。特定分野についてどのような仕事をやるのか、具体的に示してください。
たとえば経理の仕事も多種多様です。収入や支出の計算、伝票の記帳や整理、決算書の作成などがあります。このうちメインになる業務を示した方がよいでしょう。複数の業務があるなら、2~3はなるべく添える方が賢明です。
業務内容は記入スペースに余裕のある範囲で、なるべく具体的なのが望ましいといえます。
入社後にともに働く人たち
入社後ともに働く人たちについても、求人票に明記するとよいでしょう。求職者によっては人間関係を気にする方もいるからです。またともに働く人たちについて、仕事を通して考えていることや、将来的な目標を問う求職者もいます。このように仕事を通して共有できるビジョンも、就職市場では重要視されるのです。
適切な対処法としては、部署ごとのメンバー紹介が挙げられるでしょう。社内における経歴や人間像を、可能な限り示すとよいといえます。働く人たちの顔を知ることで、求職者も安心するでしょう。このように未来の同業者のイメージがわかれば、仕事探しの助けになります。
就職後の労働環境
就職後の労働環境についても、積極的に情報開示しましょう。社内の業務スペースや休憩室、更衣室などの画像を載せるのがおすすめです。業務中の風景を撮れればなおよいでしょう。求人票に限らず、公式ホームページやコラムを使うことが望ましいといえます。プライバシーへの配慮は大切ですが、公開可能な情報は積極的に出したいところです。
想定年収や残業時間なども、労働環境につながります。たとえば年収は最低から最高までの数字をセットで示してください。残業時間は社内の記録を正直に伝えましょう。とくに裁量労働制があると、職業安定法によって残業時間を公表しなければなりません。
必要に応じて労働条件や環境を示すと、求職者が就職先をイメージしやすくなります。
企業理念
最後は企業理念です。簡単に言い換えれば、会社の特長でしょう。公式ホームページで、理念を示す大手企業もあるほどです。こうしたメッセージに感銘を受けて応募する求職者もいるので、理念の発表は重要になります。
企業が目指す目標だけでなく、社会貢献の実績を示すと、納得してくれる求職者が現れるでしょう。経営方針や職場の雰囲気、主力サービスの実績なども添えるとよいといえます。このように企業理念も、求人票にはなるべく丁寧に書きましょう。
まとめ
以上、求人票に書いた方がよいカテゴリーをまとめました。求職者は企業について、さまざまな情報を知りたがっています。事業者が伝えたいことに限らず、求職者が知りたいポイントに応じて、情報をまとめてください。
勤務形態だけでなくコンセプト、理念、業務内容などが具体的なら、求職者も落ち着いて検討しやすいでしょう。このように仕事を探す人にとっては、求人票のわかりやすさが大切です。事業者は求職者の意図を考えつつ、多くの人が納得しそうな構成を考えてみてください。