Webサイトのアクセスを上げるヒントを得るには、サイト分析が大切です。その一環としてアクセス解析があります。ここからサイト訪問者の詳細情報や、行動データを確かめられるのです。
今回はサイト分析を進めたい事業者のために、アクセス解析の定義ややり方をまとめました。こちらをヒントに、訪問者の特徴や動向、事業の課題などを見出していきましょう。
アクセス解析とは
アクセス解析とは、Webサイトへの訪問状況に対する分析です。主に外部から入ってきたユーザーの行動データや、彼らの属性を記録していきます。このようなデータをまんべんなく確かめることで、サイトの利用状況がわかるのです。
ここで運営者が見る指標には、さまざまなデータがあります。ページビューだけでなくセッション数やその平均時間、ユーザー属性、使用デバイスなどが代表例です。Googleアナリティクスのように多角的な分析ツールもあるので、利用すれば事業活性化のヒントを得られます。
アクセス解析はコンテンツ作成の成果です。分析によって結果だけでなく、今後の課題も見出せるでしょう。
アクセス解析前の準備
Webサイトの分析としてアクセスチェックを進めるなら、事前準備が大切です。まずは運営目的の明確化が欠かせません。そこからアクセス解析の主要項目や専門用語を学び、目的に応じた重要点を定めてください。解析前の準備事項をまとめました。
サイト目的の設定
サイトの目的を明確にしてください。これがないと、アクセス解析結果の活用方法がわからないからです。何のためにサイトを運営しているのかをはっきりさせ、それを実現するために解析を進めてください。
運営目的には商品の売り上げ増加や、特定サービスの認知度向上、資料請求、問い合わせなどがあります。自社のビジネスで大切なポイントを定め、それを軸としたコンテンツを作ってください。
たとえば資料請求に力を入れる場合は、年代別の請求者や、彼らの使用ツールの傾向などを確かめられるでしょう。このように目的意識を持ちながらのアクセス解析で、事業を正しい方向へ導けます。
アクセス解析の主要項目を知る
アクセス解析では、次の5つの項目が大切です。
・アクセス状況
・検索キーワード
・流入経路
・ユーザーの行動
・コンバージョン状況
たとえばアクセス状況では、特定期間に訪れたユーザー数や、ページ閲覧回数などが指標になります。検索キーワードは、自社サイトへのアクセスに使った検索方法を示す形です。流入経路では、サイトを訪れるまでのルートを表しています。
サイト内でのユーザーの行動も、可能なら分析を進めましょう。コンバージョンはサイトアクセスから離脱までにおいて、ユーザーが果たした成果です。アクセスから購入、ページ閲覧、会員登録といった行動が目的となり、それらのいずれかをユーザーが果たせば達成になります。
このようにアクセス解析では、サイトへの訪問状況や検索キーワード、コンバージョンなどを多角的に確かめてください。
アクセス解析の専門用語を覚える
アクセス解析には専門用語もあります。それぞれの意味とともに確かめてください。
専門用語 | 意味 |
PV(ページビュー) | ページが開かれた回数 |
UU(ユニークユーザー) | サイト訪問したユーザー数。同一ユーザーの訪問回数は問われない |
セッション数 | ユーザーのサイト訪問回数 |
ページ/セッション | ユーザーによるサイト訪問から離脱までのページ閲覧数 |
LP(ランディングページ) | ユーザーがセッションの中で最初に訪れるページ |
コンバージョンレート | 商品購入や資料請求、お問い合わせなどの設定目標をユーザーが果たすこと |
このようにサイトのアクセス状況は、独自の用語を使った表現になります。またサイトによって、重要視すべき指標も異なります。表中の専門用語はビジネスにおけるインターネット活用の基本なので、ぜひ覚えておきましょう。
アクセス解析時のポイント
アクセス解析は、適切なポイントを押さえながら進めてください。事業目的に応じて、分析上の重要項目は重点的に確かめましょう。また過去データとの比較なども欠かせません。ここでは、解析で心がけていただきたい点をまとめました。
全体の傾向を読む
サイト分析では、全体のデータの傾向をつかむことが大切です。全体を見通してから、細かい部分をチェックすることで、サイトの全容を見られます。
そのためには、最初にサイト全体のPV数を確かめてください。全体のデータを念頭に置きつつ、アクセス数の多いページや、ユーザー属性などを見るのがセオリーです。このように全体から細かい部分へと分析を進めるのが、適切な成果確認になります。
コンテンツ作成目的の設定
コンテンツ作成目的の明確化も、サイト分析には重要です。目的がわからないと、データを調べる狙いもはっきりできません。そもそもメインテーマがないと、コンテンツの内容がごちゃごちゃになり、ユーザーも興味を示さないでしょう。
サイトのジャンルや、メインテーマに応じて、解析方法を決めるのが鉄則です。たとえばECサイトなら、商品の売上増が目的になるでしょう。この場合は商品ページのアクセス解析から、売り上げを伸ばすヒントを見出せます。
目的をはっきりさせながら作ったサイトは、適切な解析方法も見出しやすくなります。
過去データとの比較
アクセス解析では、過去データとの比較も欠かせません。現状の数字の背景を知るには、過去との比較から事実を見出してください。
狙ったページで増えていればサイトの認知度が高まったことを意味します。一方で思うように増えていなければ、原因を調べて改善に努めてください。
たとえばコンバージョンが先週より減っていたとします。メールマガジンや商品購入、問い合わせなどから、コンバージョンが多かったときの要因をチェックしてください。減少の原因分析も踏まえながら、次回以降に力を入れるべきコンテンツをはっきりさせましょう。
過去データとの比較で、サイトの調子がよかったときの要因もわかります。ここから正しい解析や改善策を見出せるかもしれません。
アクセス解析時の注意点
アクセス解析を進めるときは、注意点もあります。まずは二重計測を避けるように努めてください。またアクセスの変化には外的要因もあります。ここでは2つの注意点を見ていきましょう。
二重計測にならないようにする
アクセス解析では、二重計測に注意です。これはひとつのアクセスを二度数える現象です。二重計測があると、数値が実態より多くなり、アクセス数が多いと錯覚します。
二重計測はGoogleアナリティクスで起きることがあるので注意です。こちらはGoogle独自のアクセス解析サービスになります。とくにPV数と直帰率で二重計測が起きることがあるようです。対策としてはGoogleタグ・アシスタントを使ってみましょう。こちらで二重計測の有無を調べられます。
アクセス解析で正確な数値を手に入れられないと、間違った分析になります。そのうえでも二重解析にだまされないように気をつけてください。
外的要因の考慮も
アクセスの変化には外的要因もあります。代表例は検索エンジンのアルゴリズムの変化です。検索エンジンは時期によって、サイト表示につながるしくみを変えることがあります。
たとえばそれまで上位表示を受けていたサイトが、何の前触れもなく下位に下がるかもしれません。また新しいサイトが上位に入ることもあるでしょう。ほかにも世界経済の変化や、競合他社の新商品発売などで、多数のサイトがアクセス数変化を受けるかもしれません。
自社サイトの分析にとどまらず、外的要因からの影響の有無も確かめてください。
まとめ
サイト分析では、アクセス解析が欠かせません。全体のPV数を踏まえ、内訳まで確かめれば、自社サイトの利用状況がわかります。以上を踏まえて、狙ったコンテンツのアクセス向上のために、新しい対策を練りましょう。
アクセス解析は、事業を正しい方向へ導くためのヒントです。自社のサービスに興味を持ってもらいたいなら、定期的に確かめましょう。このような地道な取り組みによって、事業活性化のヒントを得られるかもしれません。