Googleビジネスプロフィールに登録後、MEO対策をして店舗への集客をしたい場合、「口コミ」が大きな働きをします。
口コミがなぜMEO対策をする上で重要なのか、また口コミに関してどのようなことをすれば集客につながるのかを、口コミとその返信などの重要性という観点からご紹介します。
MEO対策に口コミが重要な理由
店舗は、自らのサービス内容の悪い点を、進んで明かすようなことはほぼしません。そのため、検索して店舗の情報を見る時、それが情報の全てなのか、疑問に持つものです。
そこに他の立場からの視点があれば、その店舗を良くも悪くも多角的に、より正確にとらえられるはずです。それを解決するために、多くのユーザーが頼りにするのが口コミです。
Local Search Ranking Factorsに関するレポートの中の、「2021 年のローカル検索ランキング要因の調査」の結果を見てみましょう。それには、ローカル検索の際に重要な要素として、口コミ(レビュー)が年々重要視されるようになり、2021年においては2位の要素であるという結果が示されています。
主に、その店舗の公式サイトのほか、Googleビジネスプロフィール・店舗のポータルサイト・口コミサイト・SNSが代表的な、口コミが見られる場所です。
口コミとスコアが重要な理由
MEO対策において、口コミが有効な要素です。だからといって、いたずらに口コミを集めさえすればよい、というわけではありません。評価の高い口コミや、それを見た人にとって有益な口コミであるものを集めていく必要があります。
Googleが口コミ数とスコアを重要視しているから
MEO対策としてどのような方針でいくべきかを知るためには、Googleビジネスプロフィールが定めるガイドラインを見ればわかるでしょう。
そこには、「Google でのクチコミ数とスコアも、ローカル検索結果のランキングに影響します。クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ランキングが高くなります。」とあります。(「Google のローカル検索結果のランキングを改善する方法、ローカル検索結果のランキングが決定される仕組み・視認性の高さ」より)。
Googleは、より多くの人から評価をされている店舗、評価(スコア)の高い店舗が、利用する価値の高い店舗であるという判断をします。
口コミ数が多いとユーザーから信頼されやすい理由
購入したことのない商品や、行った事がない飲食店などの場合、それ(そこ)が質の良いかどうかを知って、購入したり、行ったりするかどうかの判断をしたいと思うはずです。その時に、口コミ数(レビュー数)が大変役に立ちます。
けれども口コミされている数によって、その信憑性は変わります。口コミがあったからといって、それがほんの2~3件しかなければ、その意見は限定的であり、ユーザーはその情報を信じてよいのか、わからなくなるでしょう。
一方、口コミ数が何十、何百件とある店舗を信頼する人は多くなります。それだけの数の口コミがあれば、さまざまな意見や感想も入ってきます。口コミの内容が正確かどうかも含めて、それだけより正確な判断がしやすくなります。
星評価が高いと、行動を起こしてくれやすい
評価が高ければ、それだけその店舗について、ユーザーにポジティブな印象を与えることになり、その後の購買・利用行動につながりやすくなります。
「star-ratings-influence-customers|星の数が多い製品ほど、購入数が多いことを示すグラフ」の記事より、星の平均値と購入行動を起こす人の割合についてまとめた資料があります。それによると、ある商品の全購入数のうち、54%は平均5つ星、40%は4つ星でした。96%は星4つ以上であったということです。また、4つ星での購入数は、3つ星の購入数の11.6倍であったこともわかりました。
このことから、購入行動を起こすのは4つ星以上の場合であるという結論が出されました。このように、評価の高い商品やサービスは、ユーザーに受け入れられやすいことがわかります。
口コミの増加は店舗の詳細情報が増え、フレッシュネスにもプラスとなることを意味する
口コミに書き込まれる情報は、Googleからは、店舗の詳細情報としてみなされます。たとえば飲食店の投稿画像で多いものは、その店舗の人気メニューととらえられるのです。口コミで画像も合わせて投稿をしてもらえれば、より価値のある店舗情報が集められます。
また、口コミが増えることによって、新しい情報が増えることになり、情報のフレッシュさも担保され、MEOには有利となります。
来店や利用・問い合わせの決め手となる
たとえば行きたい飲食店の場所を決定するときに、候補となる店舗がいくつかあって、それらの内容があまり変わらなかったときに、より多くの口コミやレビューの集まっている店が選ばれやすくなります。そのように多い数の口コミやレビューは、アクションを起こす要因となります。
MEO対策では口コミ返信が重要な理由
MEO対策で、口コミ同様、その返信も重要視されます。お客さんが書いたものに対して、誠意と感謝の気持ちを表す絶好のチャンスですし、店舗のホスピタリティの高さもそこで表せるでしょう。
またたとえ店舗に対して、否定的な内容の書き込みであったとしても、それに対する真摯な受け取りとレスポンスを行えば、イメージを変えることもできますし、サービス向上にもつながります。
Googleが口コミの返信を奨励している
検索順位を決定する権限があるGoogleが、「Googleビジネスプロフィール」のガイドラインの中で、口コミの返信を行うことについて推奨しています。ガイドラインの内容は次の通りです。
「クチコミに返信することで、ユーザーの存在や、その意見を尊重していることもアピールできます。ユーザーから有用で、好意的な内容のクチコミが投稿されると、ビジネスの存在感が高まり、顧客が店舗を訪れる可能性が高くなります。」
どのような内容であれ、口コミには誠意をもって返信することが、店舗への印象は良くなりますし、それが新たな口コミを生みやすくなります。
リピーターを増やすことにつながる
店舗側で口コミに返信すると、口コミを投稿してくれたユーザーには、ダイレクト通知が届く仕組みになっています。それは、店舗へのエンゲージメントを高めることにつながります。それによって、リピーターを増やすことにつながります。
別のサービスの紹介が可能
口コミの返信の中で、別のサービスや新しいサービスを提案・紹介してあげて、次の利用を促すことが可能です。
たとえば残念だった旨の指摘が口コミの中で出た時、それに対して謝った上、それに代わるサービスやメニューがある(始めることにした)から、また利用して欲しいと伝えられます。そしてこのやり取りは、全ての人が見れるため、広く宣伝できます。
ユーザーに店舗の姿勢が伝わり、信頼度が増す
たとえば飲食店の場合、私たちが「良い店舗」だと思えるところは、「美味しい店」が筆頭に挙げられますが、美味しければいい店なのかというと必ずしもそうではありません。店員が横柄であったり、接客が微妙であったりするようなところは、また行くことを躊躇する可能性があります。
店の雰囲気、店員の姿勢や誠実さ・人柄などから見えてくる、店舗への「信頼度」が高い所は、また行きたくなったり、応援をしたくなったりするのではないでしょうか。ネットで記されている「データ」の他に、そこから見えてくる店舗の生の部分をユーザーが見た時、その店舗は評価されます。
口コミを増やす方法
口コミが多ければ、店舗の情報がユーザーにより多く伝わる結果、その店舗はユーザーに利用されやすくなります。ですから、口コミを増やすことは、その店舗にとってプラスとなるのです。それではどのようなことを行えば、口コミは増えていくのでしょうか?
会計の時にお願いをする
やはり、直接伝える方が、反応は大きくなります。会計の際、お客さんに声をかけ続けるという方法があります。それを会計のマニュアルに入れても良いでしょう。だからといってたくさんのお客さんが、すぐに口コミを書いてくれるわけではありませんが、地道に取り組んでいきましょう。
QRコードを利用する
口頭での案内を受けて、反応してくれる人は少ないはずです。ですから、QRコードを利用して、店舗のページに誘導する方法が効果的です。
口コミキャンペーンの実施
人間、何かメリットがあるものには、行動を起こすものです。口コミをした人にだけ、次回使えるクーポンを配付するなどして、口コミをする事で特典を得られるようにすることも効果的です。
SMS(ショートメール)で案内する
顧客情報で、電話番号を集めていれば、SMSで店舗情報を流す方法もあります。通常のメールよりも、はるかに迷惑メールが少ないため、開封してもらえる可能性が高いはずです。またツールを使えば、それを一括送信することが可能です。
口コミ返信のポイント
投稿された口コミは、店舗にとって宝です。お客さんからのアプローチでもあるので、それを大切にレスポンスするようにしましょう。その返信の内容やタイミングによっては、店舗にとってプラスになることも多いはずです。
では、どのような点に気を付けて口コミの返信を行えば良いのでしょうか?
オーナー確認が必要なので確認をする
口コミのコメントの返信をするには、まずはオーナー確認について、行われていることが前提となります。まずはその確認からしましょう。まだ済んでいなければ、オーナー確認から行うようにします。
返信は早めに
何でもそうですが、口コミをした後、少しでも早く返信をすべきです。早い方がお客さんの記憶や感動も残っていますし、何らかの指摘であっても、それにすぐに対応をしようとする姿勢が評価されます。
また、早く返信をするほど、一般のユーザーがその返信やお客さんとのやり取りを見ることが可能になります。きっと、好印象を持たれて、店舗にとって有益といえます。
返信は読みやすく簡潔に
返信をするのであれば、読みやすい文章を簡潔に書く必要があります。あくまでもお客さんだけでなく、他の人も読むことがあることを知っておきましょう。わかりにくく冗長な文章は、逆にアクションを起こさせなくさせるので逆効果です。
否定的な内容の口コミであっても、真摯に対応する
店舗に対して不満があった場合、口コミでその内容を書かれる場合があります。ここで、店舗が全否定されたという被害者意識や、怒りを覚えてはいけません。
なぜ不満が出たのかというと、そのお客さんが店舗に期待をしてやってきたからに他なりません。残念なことに、それが満たされなかったから、不満が起きてしまったのです。その事に対して店舗としてまず謝り、それを見直したり改善したりする姿勢を見せ、「今度こそ楽しんでほしい」と思って誠意を見せることが重要です。
そうすれば、お客さんは見直してもらうこともあるかもしれません。クレーマーは大切にすれば篤いファンとなり得ます。普段からお客の声を聴き、気を引き締めて業務に取り組む姿勢が大切です。
コミュニケーションを築く
時間を割いて店舗の口コミをしてくれたものに対して、定型文をコピペして返信してしまっては、店舗が客をそのように、ぞんざいにしか扱わないのだと思われてしまうでしょう。それなら返信をしない方が良いまであります。
たとえ特徴のない口コミだったとしても、店舗としては、感謝の気持ちを表す返信について心がけましょう。口コミでもコミュニケーションを取ることは可能なのです。
口コミに関する注意点と悪い口コミへの対処法
口コミはMEO対策の上で店舗のプラスになりますので、大切に扱わなければなりません。それだけに、口コミの管理で注意をすべきことがあります。
Googleのポリシーを厳守する
Googleのサービスを利用している以上、Googleの定めた規則を厳守しなければ、痛いペナルティを受けるでしょう。具体的には金銭を贈って口コミを書いてもらったり、自作自演の口コミを書いたりするのは違反行為です。もしポリシーに違反した場合、店舗の信頼をなくしてしまう覚悟もしておきましょう。
口コミ投稿にキーワードを入れてもらえるように依頼する
MEO対策が有効に働くためには、口コミに、その店舗と関係の深いワードを含めてもらうのが効果的です。ただし、それを強制はしてはいけません。何かMEO対策に有効な口コミを、書いてもらう工夫が必要です。
悪い口コミで店舗にネガティブなイメージがつくというデメリットがあることを知る
口コミは良くも悪くも、その店舗のイメージを左右します。もしユーザーがネガティブな口コミを見てしまったら、商品の購入や、店舗の利用をやめることもあるのではないでしょうか。
口コミの文章自体は、店舗は、操作することはできません。口コミの力はそのようにネガティブな方向に働くこともある、というリスクも知っておきましょう。
悪い口コミがされた時の対処法
悪質なコメントがされた場合、いつでもそれを削除できるとは限りません。その判断はGoogleにあります。コメントを削除したい場合、Googleに削除要請をする形となりますが、実際に削除されるのは、Googleのポリシー違反をしたと立証できた場合のみです。
「内容に不満がある」とか「気に入らなかった」という口コミの場合、その人の主観で、そう思ったという事実が書かれたわけですから、それを削除する事はほぼできません。また、ポリシー違反で削除される場合でも、Googleがその判断をするまでの間、その口コミは残ったままでユーザーの目に留まることは間違いありません。
あくまでも事実関係で判断をされます。たとえば口コミでは店に行ったと書かれた日が、実は定休日であったなど、「事実の相違」であれば削除は可能ですが、「◯◯と思った」などという主観は難しいといえます。
削除できない悪い口コミに対しては、やはり真摯に対応するべきです。口コミをした人にそれが伝わるかどうかはわかりませんが、せめて後でこの口コミを見ることになるユーザーが、店舗が対応をしていると知ってもらうためという要素も大きいのです。
まとめ
GoogleビジネスプロフィールでMEO対策を行うことで、店舗の集客を行うためには、店舗の情報を揃えること以外に、口コミを増やしていく事が有効です。
口コミは店舗にとってプラスになるものであれば、店舗への集客によく働き、MEOの点でプラスになります。また口コミに対する返信の重要性も忘れてはなりません。さらに悪い口コミや辛辣な口コミもあることも覚悟し、どのような口コミに対しても、誠意をもって対応する事が重要です。