TikTokで動画再生回数を伸ばしたい、バズりたいと考えている方は、アルゴリズムを味方につける意識をしてみましょう。これを活かせば、ユーザーの目にとまりやすくなり、再生回数を稼げるかもしれません。
ただし、やり方によっては、アルゴリズムを活かしても伸びない場合があるため、注意が必要です。今回はTikTokでバズりたい事業者のために、アルゴリズムの仕組みを理解するポイントと、アルゴリズムを味方につけるコツをご紹介します。
TikTokのアルゴリズムとは
TikTokのアルゴリズムは、コンテンツ評価の指標です。その仕組みは時代に合わせて変わります。それまで再生回数を伸ばした動画でも、新しいアルゴリズムでは伸び悩むかもしれません。
以前のアルゴリズムでは、ほとんどの新規投稿が500回以上再生できるような仕組みでした。また反応が大きければ、上位カテゴリーのおすすめに現れやすいなど、シンプルなアルゴリズムでした。
しかし現在のアルゴリズムはユーザーの反応率や再生完了率など、さまざまなステータスが重視される複雑化の一途を辿っています。現在のアルゴリズムでは、複雑な評価基準によって、バズる動画が決まります。
TikTokのアルゴリズムは2種類ある
TikTokでは、2種類のアルゴリズムがあり、加算式と減算式に分けられます。減算式の基準に引っかからず、なるべく加算式を味方につけましょう。
加算式
加算式は高評価に応じて算出されるアルゴリズムです。結果が良いほど、再生回数が伸びやすくなります。これからTikTokで動画投稿をするなら、加算式アルゴリズムを味方につける意識をしてみてください。主に以下の指標が対象です。
・いいね率
・フォロー率
・シェア率
・コメント率
・平均再生時間
・フル視聴率
・再生完了率
・プロフィール閲覧率
・ダウンロード数
総合的に以上の数値が高ければ、さまざまなユーザーに対して、おすすめとして表示されます。TikTokをマーケティングに活かすなら、加算式にあたる項目を分析しましょう。分析の成果を活かせば、動画をバズらせやすくなります。
減算式
減算式は、上位表示を受けにくくなる指標です。このアルゴリズムに引っかかると、アカウントとしても人気になりづらい傾向にあります。詳細な項目を調べ、なるべく当てはまらないようにしましょう。減算式アルゴリズムに引っかかる理由として、以下の3つがあります。
・視聴維持率の低さ
・ほかのSNS媒体への誘導
・「興味ありません」ボタンを押されている
以上のどれかに当てはまると、視聴者から求められていない証拠です。とくにTikTokからほかのSNS媒体への誘導は、事業者がうっかりしてしまうことがあるので気をつけてください。誘導目的ではなく、あくまでTikTok単体で人気になれるコンテンツを作りましょう。
減算式アルゴリズムの影響を受けると、アカウントが不健全と認定される可能性があります。この場合は運営体制を見直しましょう。
TikTokアルゴリズムで重要な項目
TikTokアルゴリズムには、それ自体に重要な項目と、影響を受ける項目があります。ここではその2グループに分けて、注目すべき項目を見ていきます。
アルゴリズムで重要な5つの項目
アルゴリズムで重要なのは、主に次の5項目です。
・「いいね」
・コメント
・保存数
・シェア数
・視聴維持率
TikTokアカウントとしては、全てをまんべんなく稼ぐよりも、どれかひとつにこだわり、その数値の向上を目指す意識を持ちましょう。
たとえば、いいねはユーザーからのリアクションの代表例です。「いいね」には保存の意味合いもあり、これをつけたユーザーは同じ動画を見返す可能性があります。それに合わせて、何度でも見たくなるほどキャッチーな動画を作ってみましょう。アルゴリズムの重要項目を味方につけることが人気獲得のカギです。
アルゴリズムに影響を与える6項目
アルゴリズムが影響を受ける項目は次の6項目です。
・視聴完了率
・視聴時間
・ユーザーからのリアクション
・シェア数
・複数回再生数
・同一アカウント動画の視聴数
これらもいずれかひとつを重視すれば、それに合わせてアカウント戦略を立てやすくなります。
たとえば、視聴完了率は動画が最後まで視聴された割合です。最後まで見てもらいたいなら、冒頭だけでなく、結末でもユーザーの心をつかみましょう。また反応率は「いいね」やコメントといった、ユーザーからのリアクションの度合いを指します。これがほしい場合は、ハッシュタグチャレンジのような参加型のコンテンツを試してみましょう。
アルゴリズムにつながる項目のひとつを狙い、人気獲得を目指してください。
再生回数が伸びない原因とは
アルゴリズムを意識しても、再生回数が上がらない可能性がある点に注意が必要です。この場合は規約違反やシャドウバンの疑いがあります。また、TikTok側の不具合で再生回数が伸びないことも考えられます。
規約違反
TikTokで規約違反をしていると、再生回数が伸びません。これは運営側の規制により、ルールに反したものはおすすめに表示されないからです。
TikTokはコミュニティガイドラインで禁止項目を設けており、それによると暴力的行為、ヘイト、法令違反、ハラスメント、性的な行為などはタブーです。不健全な動画と判断されれば、再生回数が伸びないどころか、アカウントとしての信用を失うでしょう。
不健全な状態で動画をアップしないように、投稿前は入念に見直してください。
アカウントのシャドウバン
再生回数が伸びない原因に、アカウントのシャドウバンがあります。シャドウバンとは、TikTok側がユーザーへ知らせずに利用制限を設けること。シャドウ(影)と名の付く通り、アカウント側は処分に気づかないことが多いです。
シャドウバンを受けた場合、アカウントの放置がおすすめです。程度にもよりますが、2週間~5週間で解除を受ける傾向にあります。またそれまで投稿した動画を見直し、不健全と思われる動画があったら削除してください。TikTokは規約違反アカウントに使用制限をかけるからです。
シャドウバンが疑われる場合、その原因の精査や対処をしつつ、解除を待ちましょう。
TikTok側の不具合
TikTok側の不具合で、再生回数が伸びないこともあります。このときはプラットフォームにバグが起きているかもしれません。その影響でおすすめに表示されないこともあります。
不具合で再生回数が伸びなくなり、数日経っても回復しないなどの場合、原因を知るためにもTikTokへ問い合わせてください。またTikTok側から、不具合に関する公式情報があるかもしれないので、何かあったらすぐにチェックしましょう。
デジタルプラットフォームである以上、システム障害はつきものなので、公式情報を見ながら冷静に対処してください。
TikTokのアルゴリズムを味方につける方法
TikTokのアルゴリズムを活かす方法はさまざまです。まずはターゲットやコンセプトをはっきりさせましょう。
投稿時間や内容の工夫などを含めたアルゴリズムの活かし方を、以下で8つに分けて解説します。
動画を見てほしいターゲットをはっきりする
TikTokで動画をバズらせるには、ターゲットの明確化が欠かせません。万人受けよりも特定のターゲットの受けを狙いましょう。
ターゲット設定として重要なのが、ペルソナです。これは理想のユーザーとして想定する人物像になります。年齢や職業だけでなく、日常の行動傾向や思想などもまとめましょう。そのイメージに向けたつもりで動画を作れば、ペルソナに近い人物からの共感をきっかけに、人気を伸ばせるかもしれません。
コンセプトを明確にする
TikTokアカウントを始めるなら、コンセプトを明確にしてください。特定ジャンルに特化していれば、ユーザーに覚えてもらいやすいからです。
アカウントの運営者のプロフィールだけでなく、TikTokの活用目的もはっきりさせておくのがポイントです。明確なコンセプトに応じて動画投稿を続ければ、ユーザーからの共感をもらいやすいでしょう。テーマを絞ることで、ユーザーとの一体感を得られる可能性が上がります。
最初の3秒でインパクトを出す
良質なTikTok動画には、最初の3秒以内でのインパクトが大切です。つかみでユーザーを引きつければ、興味を続けさせられる可能性が高まります。逆に3秒以内で面白くないと判断されれば、ユーザーが動画から離れてしまうでしょう。
動画の序盤でユーザーの心をつかむには、人気動画を参考にしてください。タイトルで目を引かれたり、オチが気になる動画に仕上がったりしています。人気動画のテクニックのマネで、再生回数を伸ばすコツをつかめるでしょう。
人気の音楽を使用
TikTokアルゴリズムを味方につけるには、音楽のチョイスも大切です。SNSで人気の楽曲を使えば、ユーザーの興味を惹くことができます。その結果として、おすすめ欄にも自社の動画が出やすくなるでしょう。
人気動画を参考にして、よく使われる楽曲を覚えましょう。それに合う動画を作れば、一定のユーザーを呼び寄せられます。TikTokに慣れていないときは、まずは楽曲に合う内容から考えてみましょう。楽曲次第で、動画を魅力的に見せられることがあります。(ただし使用する音楽の著作権等には注意しましょう)
トレンドのハッシュタグを使う
TikTokでは、トレンドのハッシュタグにも注目です。こちらを表示させるだけで、おすすめ欄に出る可能性を上げられます。
たとえば、企業によってはTikTokでハッシュタグチャレンジがあります。テーマに応じた動画が出やすいため、おすすめ欄を狙わなくても再生回数を稼げるでしょう。
またインフルエンサー出演動画のハッシュタグも要チェックです。影響力のある人物の出演動画では、そこにあるワードが話題になりやすいといえます。人気のタグを定期的に調べておき、それに合う動画を作りましょう。
質を重視する
TikTokでは、動画の量よりも質を大切にしてください。SNSによっては、短期間にたくさん投稿して人気を得るアカウントもあります。しかしTikTokは動画ごとに評価を下すので、良質なコンテンツづくりに力を入れましょう。
トレンドの楽曲やハッシュタグ、演出などを研究し、それに応じて良質な動画を作ってください。また前述の通り、3秒以内のインパクトを大切にするだけで、ユーザーの心をつかめる可能性が上がります。
こうした取り組みを続ければ、良質な動画の基準がわかるでしょう。何も考えずに動画を作り続けるよりも、ユーザーの心をつかむ動画に力を入れてみてください。
ユーザーが見返したくなるコンテンツ作り
TikTok動画は、ユーザーが何度でも見たくなるコンテンツが重要です。それだけ魅力的なら、「いいね」の数も増えるでしょう。視聴回数や再生時間、コメント数の増加にもつながります。ユーザーが見返したくなる動画は、アルゴリズムからも高く評価してもらえます。
人気とみなされれば、おすすめ表示にも載るでしょう。実際に注目を受けている動画の中には、ユーザーからの繰り返し再生で視聴回数を稼いでいるものもあります。
アルゴリズムがわからなくてもTikTokを使えるポイント
TikTokには、アルゴリズムがわからなくても安心の仕組みがあります。人よりもテーマでおすすめを示すほか、その表示機会も平等に作られているからです。プラットフォームとしての平等性を、以下で解説します。
人よりもテーマでおすすめを示す
TikTokのアルゴリズムは、視聴者が好むテーマが基準です。人気アカウント優先ではなく、あくまでも視聴中の動画に合わせて、似たコンセプトをおすすめします。そのためユーザーから見れば、興味のあるジャンルを集中的に楽しめるのです。
おすすめ欄がテーマに合わせて表示されるため、初心者の動画もそこに含まれる可能性があります。そのためTikTokでは、誰でも人気になれるチャンスが転がっているとも言えるでしょう。アカウントのコンセプトが決まっていれば、動画の質次第でバズも夢ではありません。
おすすめ表示機会は平等
TikTokはあらゆる動画に対して、おすすめ表示機会が平等です。一定の再生回数を得られるように、アルゴリズムが調整をかけているからです。
そのため動画を作れば、それだけでも一定数の視聴者は集められるでしょう。現行のアルゴリズムでは、ひとつの動画につき最低約300回は見られるように調整されていると言われています。そのため人気アカウントばかりがおすすめに出るとは限りません。おすすめ表示の平等性を活かし、ユーザーの心をつかむ動画を作りましょう。
おすすめ動画は偏らない
TikTokでは、おすすめに出る動画が偏らないのも特徴です。こちらもアルゴリズム調整が要因です。
動画検索の結果、おすすめ表示に偏りが出ることを「フィルターバブル」と呼び、YouTubeやTwitterではそれが起きやすいとされます。しかしTikTokでは参入者の平等性のため、フィルターバブル対策が特徴的です。
ユーザーから見て、普段見ないテーマの動画をおすすめに挙げ、新しいジャンルを提案します。この点を活かせば、自社のジャンルに興味がない顧客も呼び寄せられるかもしれません。
人気があれば最新でなくてもおすすめに出る
TikTokでは本当に人気の動画は、時が経ってもおすすめに出ることがあります。動画投稿の数ヶ月後に、ほかのSNSへの拡散からユーザーが集まるかもしれません。
TikTokで一度話題になれば、別媒体からのユーザー流入も期待できます。以上からTikTokマーケティングは、自社の人気獲得に重要です。一度バズる動画を作れば、長期的に多くの顧客を集められるでしょう。良質な動画作りを続けて、バズるチャンスを狙い続けましょう。
投稿してすぐ話題にならなくても、別のSNSへの拡散をきっかけにユーザーが集まることもあります。思わぬ形で良い結果が出るのも、TikTokの醍醐味です。
まとめ
TikTokマーケティングの成功には、アルゴリズムの理解が大切です。視聴者のリアクションやコメントを増やすことで、自社動画がおすすめに出やすくなります。投稿後に時間が経ってからバズるものもあるので、あきらめずに制作を続けましょう。
人気アカウントになるには、ターゲットやコンセプトを明確に決めてください。ほかにも毎日の投稿時間の統一、3秒以内で心をつかむテクニックなどが重要です。既存の人気動画も参考にしながら、バズりそうなコンテンツを作り続けましょう。