集客ツールとして、現代ではSNSを利用している企業・店舗が多いのではないでしょうか。もちろんSNSも集客ツールとして効果は絶大ですが、HPも顧客獲得には必要不可欠なのです。車屋にとっても、HPはなくてはならないツールです。
ただしどのようなデザインにすればいいのか分からない、集客につながるHPのデザインが知りたいというオーナーも多いのではないでしょうか。そこで車屋のHP作成のコツやおすすめのデザインを実際の事例を交えて解説します。
車屋におけるHPの役割とは?
まず、車屋にHPがどのような役割を果たすのか説明しましょう。
自社のサービスを紹介する
一口に「車屋」と言っても、対象とするサービスはさまざまでしょう。また、力を入れているサービスもそれぞれ違うはずです。そして車屋を探す顧客も新車の購入をしたいのか、中古車を探しているのか、車の買い取りを希望するのか、愛車をカスタムしたいのかなど求めるサービスは一人ひとり異なるでしょう。
このような車屋側と顧客側のミスマッチを防ぐために、HPで自社のサービスを紹介するのです。顧客が車屋を探す際に、Web検索するのが一般的でしょう。その際にHPを持たない車屋は、選択肢の1つに入ることさえできません。その点でもHPを持つことは集客に有効なのです。
在庫状況・販売情報を周知する
自動車販売を行う車屋のHPにおいて最も大切なのは、販売している自動車の販売情報や在庫状況です。自動車の購入を検討する際、ユーザーは目当ての車種の年式や走行距離、価格などの情報を複数の車屋のHPで比較して購入する1台を検討します。そのため、どのような在庫車があるか、通常販売価格よりいくらくらいお得に買えるのかなどの情報を掲載する必要があるのです。
検索上位に上がるような大手の車屋のHPは強力なライバルです。だからといって、中規模・小規模の車屋に勝機がないわけではありません。自宅近くの車屋から購入したい、実物を見て購入したいというユーザーも必ずいるのです。そのためにも自社の在庫状況は必ず最新の情報を掲載するようにしましょう。
車検・整備などアフターサービスを周知する
車は、誰にとっても高い買い物であり、その一方で故障やトラブルもつきものです。「この車屋から購入したい」と思わせるには、アフターサービスが充実しているかどうかも重要な決め手の1つとなることでしょう。とくに中規模・小規模の車屋の場合、大手の車屋にはない、きめ細やかなメンテナンス・アフターサービスをセールスポイントに安心感を与えることで、大手に対抗できるのです。
車屋のHP作成にあたって重要なポイントとは?
車屋のHPを作成する際に重要なポイントは、次の6つが挙げられます。
自社の強みをストレートに打ち出す
多くのサービスを行う車屋が多くの顧客を集客できるかといえば、実はそうではないのです。ユーザーが車屋を選ぶ決め手となるのは、自分の求めるサービスとマッチしているかどうかが重要なポイントになります。
たとえば車の修理を依頼したい場合でも、ユーザーは1か所のみの整備を依頼することが大部分です。ドアの修理を依頼したい場合、ドア修理の技術力が高く納得いく価格で修理してくれる車屋を選ぶことでしょう。
このように、自社の専門性や強みを打ち出すことは顧客の幅を狭めると思われがちですが、より確実に集客できると考えましょう。
料金はオプション料金なども明確に
車屋のHPに多いのが、車の画像や映像を多用したおしゃれなデザインのものです。車好きの顧客には喜ばれそうですが、具体的に欲しい車・利用したいサービスがあって車屋を探すユーザーにとっては、欲しい情報が得られにくいHPだと言えます。
提供するサービスや商品、そしてその価格も具体的に分かりやすく記載しましょう。とくに価格はユーザーの最大の関心事だと言えます。料金は、オプション料金など細かい部分まで分かりやすく載せるのがおすすめです。料金の記載がないHPだと、高額の料金・費用がかかるのではないかと不安で、来店には繫がりにくいでしょう。
中古車の情報は詳細に掲載
中古車販売を扱う車屋なら、中古車の情報は詳細に掲載しましょう。中古車を探しているユーザーは、年式にこだわる人、デザイン・色にこだわる人、ワンオーナー車にこだわる人、走行距離にこだわる人など人それぞれのこだわりポイントを持っています。情報が少ないと、選択肢の1つとして選ばれなくなってしまいます。
また、中古車の情報とともに車の写真もさまざまな角度から撮影した画像を掲載しましょう。車の状態が分かる画像とともに購買意欲をそそるような魅力的な画像を載せるのがおすすめです。
新車のお得な購入プランを提案
新車の販売の場合、どの車屋から購入しても基本的に車の質は同じです。そうなると、決め手となるのは価格でしょう。安くできるなら、大々的にアピールしましょう。安く販売するのが難しければ、他社にはないお得感のある購入プランを提案し、差別化を図るのがおすすめです。
たとえば一括現金購入してもらえる場合の割引率、分割払いの月々の支払額、それぞれのメリットやお得感を分かりやすく伝えましょう。
保証の手厚さをアピール
車は長く乗っているうちに故障はつきものであり、定期的な点検・修理も必要なものです。車を購入した車屋で、購入後のメンテナンスもできたらと考える個客は多いものです。保証の手厚さをアピールすれば、安心して車の購入に至ることも十分考えられます。たとえば「〇年保証」「ロードサービスの有無」「提携工場の信頼性」といった具体的な保障内容を記載するのです。
中古車買い取りや査定情報も
車屋のHPを訪れる人は、車を買いたい人のみとは限りません。車を売りたいという人もいるでしょう。
「無料査定」「見積もりサービス」などを行っているなら、気軽に申し込めるように「お問い合わせボタン」などをHPに設置しましょう。買い取りした中古車は、仕入れのチャンスです。お問い合わせのフォームには、車種・年式・走行距離といったある程度の情報を入力できるようにしておくと、スムーズに買い取り交渉を進められるでしょう。
車屋のHPにあった方がいいコンテンツとは?
車屋のHPには、どのようなコンテンツを揃えればいいのでしょうか。
企業情報
高い買い物である車の購入をする車屋は、信頼できるかどうか顧客の目も厳しくなるのは当然でしょう。信頼感を得るために、企業情報は詳細なもの、最新のものを掲載するようにしましょう。具体的には次のような項目を記載します。
・社名
・設立年月日
・資本金
・社員数
・沿革
・企業理念
・サービス内容
また、営業時間・営業日は変更があったら必ずHPの情報も直ちに変更する必要があります。住所を載せるだけでなく、近くの目印からのルートをイラストで載せるなどして、迷わず来店してもらえる工夫も有効です。
ラインナップ
現在取り扱っている車のラインナップは、必ず掲載しましょう。軽自動車・コンパクトカー・ワンボックス・セダンなどの車体タイプや色、価格などで検索できるとさらにユーザーは欲しい車を検索して見つけやすくなります。在庫についてはリアルタイムで更新し、問い合わせたものの既に別の顧客に売れた後だったという事態は避けましょう。
購入サポート
車は額が大きい買い物のため、ローンを組みたいと考える顧客も多くいます。ローンの契約について、申込から契約、入庫、ローンの支払い開始までの流れを掲載すれば安心してローンで購入しようと考える人が増えるはずです。自社ローンがある車屋は、詳細を記載しましょう。
オーナーサポート
その店で車を購入したらどのようなサポートを受けられるのかは、購入を検討している顧客が気になるところです。購入率を上げられるように、購入後どのようなサポートが受けられるのか分かりやすく掲載しましょう。
技術紹介
自社ならではのこだわりの技術について記載することで、車の品質についての安心感が得られるはずです。技術紹介ページで、どのような技術なのか具体的に分かりやすく解説しましょう。
認定中古車
認定中古車を取り扱っている車屋なら、ぜひその情報を掲載しましょう。認定中古車について、一般的な中古車とは違って走行距離が少ない、メンテナンスも行き届いた中古車である点、アフターサポートも充実している点をアピールすると効果的です。認定中古車についてどのような中古車なのか知らないユーザーに対して、イメージアップが図れるでしょう。
リコール情報
各メーカーからのリコール情報は、直ちにHPに掲載するようにしましょう。リコールの対象となった車の所有者がどこに問い合わせればいいのか、自社としてどのような対応を取るのかを明記するようにします。
HPに情報を載せていないと、多数問い合わせが店舗の電話に押し寄せる恐れもあり、本来の業務に支障が出てしまう恐れもあるので気をつけましょう。
資料請求
自動車販売会社は、現在ではWebカタログをHPに掲載するのが主流になっています。その一方で、やはり紙のカタログを希望する人も一定数いるため、資料請求のページは必須でしょう。
簡単に資料請求できるフォームを用意しておくのがおすすめです。
お客様の声
企業自身のアピールよりも、ユーザーが参考にするのは実際にサービス・商品を購入した顧客の「口コミ」だということはご存知でしょうか。HPにスタッフの対応や購入した感想、アフターサポートを受けた感想などの「お客様の声」を掲載すれば、店の信頼感もアップすることでしょう。自分が購入した際のイメージをもたせることも可能です。
お役立ちコラム
役立つ情報の発信によって見込み客を集めて集客につなげることを、コンテンツマーケットと言います。車屋のHPで車についての役立つ情報を、素人にも分かりやすく発信すれば集客が見込めるほか、SEOにもなります。
スタッフ紹介
スタッフの顔写真や仕事内容、受賞歴や一言コメントなどのプロフィールを掲載すれば、安心感や信頼感を与えられるでしょう。
認定証・登録証・表彰歴
自社の技術力や信頼性をアピールするのに有効なのが、認定証や登録証を取得している車屋だと知らせることです。正規の自動車販売店であることが分かる、認定証や登録証を画像付きで掲載して、本物だということをアピールしましょう。
持っているのが当たり前のものではありますが、自動車取引業や古物商許可の証明書も載せると安心感が増すはずです。もしも受賞歴があるなら、良いアピールになるのでぜひ載せましょう。
関連用品の通販ページ
車のメンテナンス用品やバッテリー、オイル類といった関連用品をネット通販しているなら、ぜひそのページもHPに載せましょう。HPを訪れるユーザーは、少なからず車に興味のある人であるはずです。通販での売り上げが見込めるとともに、サービスの充実した車屋だと印象付けられます。
車屋のHP作成時のデザインのポイントとは?
車屋のHPを作成する際に、デザインに対してのポイントはあるのでしょうか。
「信頼感」を演出したデザインに
車屋のHPというと、車好きに刺さるようなスタイリッシュなデザインが向いているように思えますが、高価な買い物をするに当たって「信頼性」こそが購買率に大きく影響するのです。たとえ車の品質が良い、技術力が高い、接客が丁寧な車屋であっても、HPでそれが伝わらなければ集客にはつながらないでしょう。スタイリッシュなデザインであっても、コンテンツの見やすさや動線の分かりやすさ、見やすさや読みやすさなどには気を付ける必要があります。
「車屋のコンセプト」をイメージしたデザインに
自社のコンセプトをしっかり打ち出したデザインにすることで、コンセプトに共感するユーザーとうまくマッチングでき集客につながることが考えられます。たとえば高級外車の専門店なら、エレガントさやスタイリッシュさを演出したデザインが合うでしょう。そのためにも、自社のコンセプトを明確にするところから始めなければなりません。
動画で車の躍動感を演出する
ターンテーブル上で車体が回転する動画、実際に走行する動画を掲載すれば、車の躍動感を得られて車好きの気持ちを高揚させられるでしょう。動画を多用すると鬱陶しく思われてしまうので注意が必要ですが、印象的な動画は対象の車に興味がないユーザーもつい引き込まれてしまうはずです。自動再生にすると、突然動画と音楽が流れだし不快感を与えかねないので避けた方がベターです。
伝えたいことは画像で!
情報を伝えたいあまりに、テキストの多いHPをしばしば見かけますが、よほど興味のあるユーザーでなければすべてに目を通す人は少ないでしょう。画像の方が視覚的に多くの情報を伝えられるので、画像を有効に使って伝えたいことを表現するのがおすすめです。
車屋のHP作成の参考に!おすすめデザイン&事例
ここからは、実際の車屋のHPのデザインを事例に、おすすめのデザインを紹介していきます。
「内装・外装パーツ」に強いことをPRするデザイン事例
カスタムパーツを取り扱っている「ヴァレンティジャパン」は、とことんスタイリッシュなデザインにこだわったHPで、車本来のかっこよさやカスタムの面白さが伝わってきます。車好きにうまくマッチングできることでしょう。
「メンテナンス」に強いことをPRするデザイン事例
埼玉県・東京都北部に店舗展開する「株式会社バッファロー」は、トップページに自動車整備をしているスタッフの動画を使っています。高い技術力で数々の受賞歴のある実力をPRできているデザインです。
「車体全体」に強いことをPRするデザイン事例
主に西欧車のカスタマイズやメンテナンス、中古車販売を行う兵庫県の「株式会社ウエステール」のHPは、ハイエンドスポーツカーを手掛けているという特徴が明確に分かるトップページのデザインになっています。また、トップページに掲載する内容も厳選されていて、シンプルで動線が分かりやすいのも特徴です。
車屋のHPのデザイン、NGポイントは?
車屋に限らず、企業のHPで大切なのは、ユーザーが必要とする情報に簡単にたどり着ける「動線の分かりやすさ」です。とくに車屋は、車好きに向けて訴求しようとするあまり、見やすさや分かりやすさよりもかっこよさやデザイン性を追求してしまいがちです。HPが完成した際には、分かりにくいHPになっていないかを確認しましょう。動画が多すぎて動作が重いHPや、音楽が突然流れるHPも嫌われがちなのでNGです。
まとめ
HPは、自社のさまざまな情報を伝えるとともに、車屋としての強みや魅力をアピールできるものです。自社の強みを明確にしたら最大限に伝わるデザインにすることで、車屋を探しているユーザーにうまくマッチングできることでしょう。そのためにも、まずは自社の強みは何かをあらためて明確にすることから始めるのがおすすめです。魅力や強みが最大限に伝わるHPを作りましょう。