「ホームページを開設したけど集客できない」このような声をよく耳にします。顧客を増やすのに効果的な要素として、行動心理学があります。行動心理学を利用することにより、顧客(リピーター)やコンバージョンの増加にも繋がるでしょう。この記事ではマーケティングと行動心理学とは何か、さらにマーケティングに活かせる行動心理学の効果10個について、詳しくお伝えします。
マーケティングとは
マーケティングとは、売れる仕組みの構築活動のことです。消費者自身からサービスや商品を欲するようになり、自然と売れていく状態にするのが狙いとなります。そのため消費者のニーズや価値観に応じたサービスや商品を開発し、それらを宣伝していくことを重要視します。
行動心理学とは
行動心理学は、アメリカの心理学者ジョン・ワトソンが提唱した行動主義の心理学です。人間の行動や仕草から、感情や心理を読み解くための客観的な観察に基づいた研究です。
行動心理学の具体例
嘘をついている時に、鼻や額を触る「なだめ行動」や、恋愛に使える行動心理効果などさまざまなものがあります。有名なものは恐怖のドキドキを恋愛のドキドキと錯覚して、恋愛感情を持ちやすくなる「吊り橋効果」があげられるでしょう
行動心理学とマーケティングの親和性
行動心理学はマーケティングにおいても重要で、集客や販売促進に効果的です。マーケティングの目的は、消費者の購買意欲を掻き立て顧客を増やすことです。そこで行動心理学のテクニックを使って消費者心理をうまく誘導します。消費者の「買いたい!」「利用したい!」という欲求に繋げていく方法が、広く取り入れられているのです。
マーケティングに効果的な行動心理学10選
「期間限定商品をつい買ってしまった」「当店人気No.1商品をとりあえず買ってみた」…多くの人が、このような経験をしているでしょう。これらふたつは行動心理学のテクニックを用いた、販売戦略によるものです。行動心理学には、マーケティングに活かせるさまざまな効果があるので以下に紹介します。
ハロー効果
ここでの「ハロー」とは、光の輪が現れる大気現象のことです。ハロー効果とは外見に影響されて、本来の印象や評価が歪められてしまう心理現象です。たとえば同種の商品を販売する2社のホームページがあったとしましょう。より好印象なデザインや見た目のホームページの方から購入したくなりますし、発送や返品などの対応もしっかりしてくれそうな印象まで持ちます。
ハロー効果をホームページに活用するポイントとしては、サービスや商品に合ったきれいなデザインと、全体的な見やすさがあげられるでしょう。また専門家や社会的地位が高い人、人気有名人やイメージキャラクターの起用などもあります。
バンドワゴン効果
世間の流行や人気、周りの評判に影響される心理現象です。長い行列ができているラーメン店を見ると「大人気店のラーメンなのだから、おいしいのだろう」と判断しがちになります。バンドワゴン効果の活用ポイントは、高評価に値するデータの掲載です。売上実績やお客様の声を紹介する場合、誇大表現にならないよう注意が必要です。
カクテルパーティ効果
自分の興味や関心がある情報に対して、無意識的に即座に反応できる現象です。騒がしい環境下でも相手との会話ができ、遠くから自分の名前を呼ばれてもはっきりと聞き取れることが、この心理効果にあたります。
カクテルパーティ効果の活用ポイントは、ターゲットとする消費者の興味や関心がありそうなワードを掲載することです。たとえば「新作バッグが続々入荷」と宣伝するより、ブランド名を加えて「~の新作バッグが入荷」とした方が、そのブランドのファンの目に留まります。
バーナム効果
誰にでも当てはまるような曖昧な発言や指摘をされた場合、それを「ずばり自分のことだ」と思ってしまう心理現象です。たとえば占いで生年月日や血液型を聞かれた後に「あなたには今、少し悩みがありますよね」と指摘されると「当たっている」と、その占いを信じるでしょう。そして自分の悩みや生活環境など、詳しく話してしまう現象です。
バーナム効果の活用ポイントは、消費者に「この商品こそが自分のためのものだ」と思わせることです。「運動したくないけれど、筋肉をつけたい人はこちら!」や「食事制限したくないけれど、痩せたい人はこちら!」などのキャッチコピーが典型的な例です。
ウィンザー効果
当事者よりも第三者から間接的に伝えられた意見や評価の方が、より信憑性が高くなる現象をいいます。店員から商品のよさを伝えられるより、レビューや口コミなど利害関係のない第三者から伝えられた方が、より信用しやすくなる心理現象です。
ウィンザー効果の活用ポイントは「お客様の声」を掲載することです。しかしすべての意見を掲載すればよいわけではありません。商品の判断に役立つような情報や評価が含まれている内容のものを選ぶことで、信憑性を高められるでしょう。その際よい評価だけでなく、悪い評価も掲載することが重要です。
プロスペクト理論
人は得をすることより、損をすることの方を恐れやすいという理論です。以下のコイントスゲームがあるとします。
● A:「表が出たら10万円もらえ、裏が出たら5万円失う」
● B:「何もしなければ確実に3万円もらえる」
この場合損失を回避したい心理が働き、ほとんどの人がBを選択することが知られています。プロスペクト理論の活用ポイントは、 損失回避性の心理を利用することです。期間限定や割引キャンペーンを設定することで「今買わないと損をする」という、消費者心理に訴えかけることができます。
カリギュラ効果
禁止や制限をされるほどその物事に対する関心や興味が高まり、その禁止や制限事項を破りたくなる・破ってしまう心理現象です。これは人間が持つ「自由に行動がしたい」という、欲求から起こるものです。この現象のよい例が、昔話の「浦島太郎」でしょう。
玉手箱を決して開けないよう釘を刺されていたことから、その玉手箱のことが余計に気になり、ついに開けてしまいます。カリギュラ効果の活用ポイントは、軽い禁止条件を設定し禁止理由も述べることです。個数に限りがある商品の販売を、会員限定にし「本当に痩せたい人以外は、使用しないでください」などのキャッチコピーを使用すればよいでしょう。
返報性の理論
人から何かをもらう・親切にしてもらうと、お返しやお礼をしたくなる心理です。スーパ―などで試食をすすめられると「無料でいただいたので、その食品を買うことでお返しをしないと」と、感じてしまう現象です。
返報性の理論の活用ポイントは消費者が購入する前に、サービスや価値があるものを提供することがポイントとなります。さらに誕生日クーポンなど特別感のあるサービスを用意することで、より返報性の理論が活かされます。
スノッブ効果
希少価値があるものや限定品、人とは違うものを欲する心理現象です。その心理の奥には自分に特別感を出し、人に見せびらかしたいという欲求があります。限定ものの高級ハンドバッグや腕時計を身につけたりするのは、スノッブ効果のよい例です。
この効果を活かすには数量限定・地域限定、期間限定のように限定性を持たせましょう。またハンドメイドやオリジナル商品などで、希少性を高めるとよいでしょう。
ディドロ効果
統一感や一貫性を求めたくなる心理現象です。家具を揃える場合、その部屋や自分の好みのイメージに合ったテーブルやソファーを購入することから始まります。それに関連した家具や小物も揃えていき、統一感のある部屋に仕上げていく流れになるのが、その一例です。
ディドロ効果を活用するには、同一シリーズ商品を買い揃えたくなる消費者心理へ、訴えかけることが大切です。顧客の獲得にも繋がります。具体的には商品のセット販売やシリーズ販売といった方法があります。
まとめ
ホームページ上でただ単に商品の説明をしているだけでは、顧客や販売数は増えません。行動心理学に基づいたテクニックを駆使し、販売戦略を立てていくことが重要です。
今回お伝えした上記10個の行動心理学の効果を取り入れることで、訴求力のあるホームページになります。オウンドメディア(自社のWebコンテンツ)やSNSにも活かせるため、ぜひとも参考にしてください。