SNS戦略

公式LINEの友だちを増加させる㊙️ポイント&ブロック率を下げるコツ

SNSを集客や売り上げアップに活用する企業や店舗が増えています。中でも、日本で最も利用者数の多いLINEを活用する「LINE集客」は注目を集め、多くの企業・店舗で導入されています。

ところが導入したものの、友だち数が思うように増えなくて困っている担当者も多いのではないでしょうか。そこで今回は、友だち数を増加させるコツ、そしてブロック率を下げる方法をお伝えします。

公式LINEの「友だち」とは?

まずは、公式LINEの「友だち」という概念について解説していきましょう。

「友だち」とは?

公式LINEとは企業向けのLINEアカウントのことです。LINE公式アカウントを作成すれば、個人LINEとは異なるさまざまな企業向けの機能を利用できるようになります。集客アップや販売促進に大いに活用できるツールだと言えます。

そんな公式LINEをフォローしてくれたユーザーが「友だち」です。友だちになってくれるユーザーとは、「企業店舗をすでに知っている」または「すでに企業・店舗を利用したことがある」というケースが大部分です。

友だちの確認方法は?

LINE公式アカウントの機能の1つとして、友だち登録したユーザーのさまざまな属性を確認できます。公式LINEアカウントの管理画面「分析」にある「友だち」の項目を開くと、友だち登録者数はもちろん、友だち追加に至った経路や性別・年齢・居住地域といった属性が確認できます。

なぜ公式LINEの友だちを増やすのが大切なの?

公式LINEの友だち数を増やすことで、大きく分けて4つのメリットがあります。

リピート率がアップする

一度店舗やサービスを利用してくれた顧客を、二度目以降も継続して利用してくれるようなリピーターにするのは難しいものです。一度目の来店後も顧客との関係を途切れさせないようにできるのが、公式LINEのメッセージをはじめとした機能なのです。

初回利用の後でまだ日の浅いうちに、その状況に合わせたメッセージが送れます。化粧品の販売会社の例では、友だち登録したユーザーに「無料お試しセット」の申し込みについてメッセージを送信したところ、クリック率が約3倍まで伸びたそうです。

また、継続して利用している顧客に対してもLINE上で個別カウンセリングを行ったら、翌月のリピート率が3.4%アップしたという結果が出ました。

キャンペーン施策が効果を上げやすくなる

実店舗やECサイトで使えるクーポンやポイント配布のキャンペーンは、ユーザーにとって非常に魅力的ですが、友だち登録していないユーザーには届けられません。友だちが増えることでこのようなキャンペーンの利用者が増え、キャンペーンの効果を上げられます。

たとえば飲食店で多いのが、「ドリンク無料クーポン」です。ドリンク代を無料にすると利益がなさそうに思えますが、このクーポンを利用するのを目的に来店する客は、大部分がフードやおつまみなどもオーダーするものです。ドリンクを無料にすることで、新たな利益を創出できるでしょう。

口コミを創出できる

公式LINEの友だちは、別の友だちとのトークやタイムラインで、企業・店舗についての話題や情報を発信してくれることが考えられます。また、友だち登録者以外にも閲覧してもらえるタイムライン機能「ディスカバリー」の投稿は、いいと思ったユーザーがタイムラインや他のアプリなどに共有できます。そのためTwitterのような拡散効果が期待できるのです。

公式LINEが友だちのユーザーによって話題にしてもらえることで、口コミで公式LINEの情報を広められるでしょう。

細かく分析ができる

顧客の年齢や性別などの属性は、企業・店舗がマーケティングをするのに必要な情報です。その顧客が公式LINEの友だちになってくれることで、より詳細な属性を知れ、マーケティングに活かせます。

具体的には、性別・年齢・居住都道府県などの「友だち属性」だけでなく、メッセージのやり取りをしている時間や回数などの「チャット分析」、配信したメッセージのクリック数や応答メッセージへの入力内容といった「メッセージ分析」、クーポンの利用率、使われた時間といった「クーポン分析」、ショップカードの発行数や有効カード数などの「ショップカード分析」などが可能になります。

どんなメッセージが多く読まれるか、どんなキャンペーンが有効かなどを分析することで、より有効な手立てや方向性を知れるでしょう。

友だちが増加しない理由とは?

友だちがなかなか増加しない場合、次のような3つの要因が考えられます。

プロフィール欄に魅力がない

ユーザーが公式LINEをフォローして友だちになる際に、必ず目にするのがプロフィール欄です。自己紹介としてプロフィール欄に書かれている事柄を読んで、友だちになるかどうかを瞬時に決めるのです。

自己紹介を目にする時間は、平均3秒だと言われています。この3秒で感覚的に友だちになるかどうか決めているので、まずは文章の羅列ではNGです。箇条書きにした端的な文章で、パッと見てどんな企業・店舗か分かるように心がけましょう。

動線が分かりづらい

せっかく公式LINEの友だちになりたいと思っても、その方法が分からない、分かりづらいと言う人も少なくありません。公式LINEの友だちになる方法は、LINEで企業・店舗名を検索し、プロフィールページから友だち追加できます。

ただし検索の際に正しい企業名・店舗名が分からなかったり、同じような名前の企業・店舗があったりして、なかなか目当ての企業・店舗の公式アカウントにたどり着けないものです。

友だちになるメリット・友だちを続けるメリットがない

公式LINEの友だちに登録するきっかけとして多いのが、「友だち追加でもらえるクーポンが欲しい」「友だち追加が条件でダウンロードできるLINEスタンプが欲しい」などという特典が目当ての場合です。このような特典がないと、友だちになるメリットを感じられず友だちにならない人が大多数です。

さらに友だち追加によるメリットを享受した後で、友だちでい続けるメリットが感じられないと友だちを解除、ブロックされてしまいやすくなります。

友だちを増やす「オフライン」「オンライン」「広告活用」9つのコツ!

友だちを増やすコツは大きく分けて、「オフライン」「オンライン」「広告活用」の3つに分けられます。

オフラインの施策としては、「店頭POPチラシ・声かけ」「友だち登録のキャンペーン」「名刺の工夫」が挙げられます。これらはとくに、実店舗を持っている業種や自社商品を扱う店舗において有効です。

オンラインの施策としては、「シェアできる特典」「他のSNSからの誘導」「メールマガジン・ウェブサイトからの誘導」があります。オンラインの施策は、公式LINE以外のSNSをすでに導入している企業・店舗、ある程度友だち登録者はいるものの伸び悩んでいる企業・店舗にとくに有効な手立てです。

「広告活用」は、「友だち追加広告の活用」「LINEプロモーションスタンプ」「広告代理店に依頼」があります。効果は抜群ですが、費用はかなり掛かります。短期間で多くの友だちを増やしたい場合に導入を検討するといいでしょう。

次から、それぞれのコツについて詳しく解説していきます。

店頭POP・チラシ・声かけ

実店舗において、チラシやPOPを掲示して友だち登録を促したり、スタッフが声かけしたりするのはオフラインによる友だち増加のための施策の代表的な手法です。この時に大切なのは、友だち追加をして得られるメリットを明確に伝えることです。

店頭のPOPやチラシにはQRコードを掲載し、スムーズに友だち登録できるようにします。会計時に使えるクーポンを用意して、レジでスタッフがQRコードを指して「登録していただければ会計から10%オフになります」と声をかけるとスムーズに誘導できるでしょう。

友だち登録のキャンペーン

友だち登録を呼びかける際に、ただ友だち登録をしてください、とお願いしても顧客には面倒な作業です。そこで友だち登録でお得が得られるキャンペーン施策が非常に有効です。

友だち登録による割引やドリンクサービスだけでなく、友だち登録でスポーツ観戦のチケットが当たる、懸賞の当選確率がアップする、ポイントがもらえるなどさまざまなキャンペーンが考えられます。

名刺の工夫

名刺を渡したり交換したりする機会があるなら、名刺に友だち登録用のQRコードを記載すると効果的です。個別にアプローチでき、後日お礼とともに公式LINEへ誘導する流れも自然です。

また、レジ横などに名刺サイズのカードを置いておくのも、名刺を渡すのと同様の効果が得られます。気になった人はそこから気軽に持って行け、ダイレクトメールや折り込みチラシの費用も抑えられます。紙製のポイントカードを使っているなら、そこにQRコードを記載するのもおすすめです。

シェアできる特典

ある程度友だち数は増えたものの、そこから伸び悩むときにおすすめなのが、シェアできる特典です。LINE上で友だちにシェアできるクーポンにすると、友だちから別の友だちへと情報を拡散させながら友だちが増やせるでしょう。

配信メッセージではなくタイムラインでクーポンをシェアできる機能を利用し、来客数を160%伸ばしたカラオケ店があります。配信メッセージと違ってタイムラインならプッシュ通知が届かず、ブロックされにくいというメリットがあります。

他のSNSからの誘導

すでにInstagramやTwitterなどのSNSを導入しているなら、公式LINEへ誘導するリンクを設置してみましょう。

公式LINE開設時に、「新たに公式LINEを開設します」と通知してリンクへ誘導します。この時気を付けなければならないのは、SNS同士で同じ内容にならないようにすることです。各SNSならではの特徴を生かした内容だと、友だち登録のメリットを感じてもらえるはずです。

メールマガジン・ウェブサイトからの誘導

すでにメールマガジンやウェブサイトを運営しているなら、公式LINEに誘導しましょう。QRコードや友だち登録ボタン、友だち追加URLを設置するだけでいいので費用もかかりません。

メールマガジンやウェブサイトを訪れる顧客というのは、企業・店舗に対して興味をかなり持っている状態だと考えられます。公式LINEに誘導すれば、友だち追加してくれる可能性も高いでしょう。

友だち追加広告の活用

「友だち追加広告」とはLINE上に打ち出せる広告のことで、広告をタップすることで友だち追加を促すことが可能です。月額数万円の広告費はかかりますが、元々約500人だった友だち数を約7倍まで伸ばした例もあります。

LINEプロモーションスタンプ

LINEユーザーにとって無料でダウンロードできるLINEスタンプは、非常に魅力的です。友だち追加をすることでもらえるLINEスタンプを配布する、「LINEプロモーション」という機能が使えます。

人気のアニメキャラクターやクリエーターと商品をコラボしたスタンプは、数十万人という新規友だち登録者を得られることも多々あります。ただし広告費は莫大にかかるため、大企業向けの施策です。

広告代理店に依頼

公式LINEの運営を広告代理店に任せれば、本業の片手間にスタッフで運営するより格段に効果が上がるのは当たり前と言えます。

広告代理店に依頼するには費用が掛かってしまうのは、確かにネックです。ただし、1回数百万円かかる新聞の折り込み広告費が問題となっていたスーパーマーケットが、広告代理店に依頼することで折り込み広告費の削減に成功した例もあります。

公式LINEの「ブロック率」とは?なぜブロックされるの?

「ブロック率」とは、公式LINEの友だち数における何らかの理由でブロックしたユーザーの割合のことです。LINEが公式に発表はしていないものの、ブロック率について調査した結果によるとブロック率平均20~30%のようです。

ブロック率が高いことは、魅力を感じて友だち追加をしたものの、何らかの理由で友だちを継続しないことを選択したと言えます。その理由について考えられるものを、3つ挙げていきます。

ブロックの理由①店舗・サービスを利用しないから

クーポンやLINEスタンプがもらえるから、と友だち登録するユーザーは多くいます。その後、クーポンやスタンプを手に入れたからといって店舗やサービスを利用する機会がない、利用するつもりがないユーザーはブロックしがちです。

ブロックの理由②メッセージが多すぎる・少なすぎる

LINEユーザーの多くは、毎日数回メッセージを確認します。メッセージを送れば送るほどメッセージを見てもらえるかというと、そうとは一概には言えません。多すぎるメッセージは煩わしく感じられ、ブロックされてしまいやすいのです。逆に少なすぎるメッセージも、どんな企業・店舗なのか十分に印象付けられません。

ブロックの理由③自分にとって興味・メリットがないメッセージ

クーポンやスタンプなどがきっかけで友だち追加したユーザーも、自分に興味がある業種やメリットのある配信メッセージならブロックすることはないでしょう。

ただ、全く興味やメリットがないメッセージが頻繁に届くと、いちいち確認するのが面倒になりブロックされがちです。

ブロックされないようにLINE公式アカウントを運用するには?

せっかく友だち数を増やしても、多くのユーザーにブロックされてしまっては効果的に活用するのは難しいものです。そこでここからは、ブロックされない運用方法を紹介します。

適切な配信

メッセージの配信は、多すぎず少なすぎない適切な頻度で行いましょう。ただし、具体的に何日に1回が適切かは、業種によっても異なります。さらに内容についても、改行や絵文字を使って読みやすくする、動画も添付するなどした方が適切です。

配信時間も重要です。友だちが学生メインなら通学時間帯や学校から帰ってきてリラックスする時間帯、主婦がメインなら家事がひと段落する時間帯など、適切な配信時間も考えましょう。

あいさつメッセージ

「あいさつメッセージ」とは、友だち登録をしたユーザーに自動配信される、初めてのメッセージのことです。そこではどんな配信が行われるのか、いつメッセージが届くのか、クーポンが配信されることがあるのかなどを記載すれば、受け取り手も心の準備ができるでしょう。

また、毎回プッシュ機能で通知が届くのを煩わしく感じるユーザーも多いので、あいさつメッセージで「通知オフ」を促すのもおすすめです。

絞り込み配信・セグメント配信

特定の属性で絞り込んだ友だちのみにメッセージを送れる機能があります。たとえば化粧品なら、「初回購入からちょうど使い切るタイミングにあるユーザー」に継続購入のメッセージを配信するなど、配信相手を絞り込めばユーザーにとって有益なメッセージでありブロックを防げる可能性が高くなります。

一斉メッセージの通数を減らせるので、配信頻度が多いと思われることもありません。

LINE公式アカウントの機能を活用

LINE公式アカウントには、メッセージの配信だけでなくさまざまな機能があります。テキストだけのメッセージではなくカードタイプメッセージにしたり、トークルームにリッチメニューを設置したりと、さまざまな機能を活用すればユーザーが飽きるのを防げます。

ブロック率0%は目指さない

ブロック率の平均は20~30%であり、31%以上なら改善が必要、20~30%なら平均だが改善の余地あり、19~11%なら良い、10%未満ならとても良い結果だと言えます。

ブロック率0%は不可能と言っても過言ではなく、むやみにブロック率を意識しすぎて及び腰になり、目的を見失わないようにしたいところです。

まとめ

公式LINEは、売り上げアップや集客アップに役立つさまざまな機能があります。ただしそれらの機能も、友だち数が少なければ大きな効果を上げることは難しいでしょう。ユーザーにとってメリットのあるキャンペーンを行うなどして、まずは友だち数を増やすことが大切です。そして、ブロック率が多い場合は、ブロックを減らす施策を試してみましょう。

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