チラシのポスティングやDMの送付、メルマガの配信といった従来からの集客方法だけでなく、InstagramやTwitterなどの、SNSを活用した集客方法が多くの企業や店舗で採用されています。ところが今最もおすすめの集客方法、LINE公式アカウントをまだ運用していない企業・店舗もまだまだ多いようです。今回は使わないとヤバい、集客効果絶大のLINE公式アカウントについて徹底解説します。
まずはおさらい!LINE公式アカウントとは?
まずは、「LINE公式アカウント」とは何かからおさらいしましょう。個人ユーザーが作るアカウントとは別の、企業・店舗がビジネス向けに作成した「公式アカウント」を利用して活用できるサービスです。LINE公式アカウントを使えば、企業・店舗は友だち登録したユーザーに対して直接メッセージで情報を届けられるのです。
メッセージを送るなら一般的なユーザーが利用するLINEと同じように思えますが、一般的なLINEとLINE公式アカウントとの違いは何でしょうか。
LINEは1対1でメッセージのやり取りをするもので、グループラインなら、グループ内のユーザー全てがメッセージを共有可能です。一方でLINE公式アカウントの場合は、1対多数へのメッセージ配信が可能で、グループラインのように友だち登録したユーザー間での情報は何も共有されることはありません。友だち登録したユーザーが企業・店舗へメッセージを送ることもできますが、そのメッセージが他のユーザーへ共有される心配はないのです。
メッセージの配信以外にも企業・店舗にとって便利な機能が多く搭載されているのが、LINE公式アカウントです。
公式LINEを使わないとヤバい理由とは?
LINE公式アカウントは企業・店舗にとって便利な機能があることは分かったものの、利用しなくても不便はないと考えている企業・店舗もあるかもしれません。ところがそれは結論から言うと、「ヤバい」と言えます。次に挙げる理由から、今では多くの企業・店舗がLINE公式アカウントの運用に乗り出しているのです。
圧倒的なアクティブユーザー数の多さ
LINEの国内月間アクティブユーザー数は9500万人(2023年6月現在)で、日本で最も使われているSNSプラットフォームがLINEなのです。
業種や規模・商材を選ばない
LINE公式アカウントは、業種や規模、商材などを問わずに活用できます。たとえば飲食店や美容院、小売業やECサイトはよくありますが、保険会社やガソリンスタンド、学校や学習塾、実店舗展開する企業やウェブビジネスまで、幅広いさまざまな業種・商材で活用されています。
ただし出会い系・アダルト系・連鎖販売取引や違法な営業方法、科学的根拠が乏しい商品の販売などはLINE公式アカウントが解説できません。逆に言えば、LINE公式アカウントを開設できているということが企業・店舗の安全性についての説得力につながります。
ユーザーとの双方向のコミュニケーションが可能
LINEは、元々がコミュニケーションツールであり、ユーザーとコミュニケーションをとるのに最適なツールだと言えます。LINEユーザーの多くが毎日LINEを利用していることから使い慣れていて、企業・店舗からのメッセージも堅苦しさを感じず受け取ってもらえるのが特徴です。
開封率の高さ
公式LINEからのメッセージと従来のメルマガは変わらないのではないかと思われるかもしれません。ところが公式LINEからのメッセージは、従来のメルマガよりも開封率が格段に高いことが知られています。
LINE社の調査によると、公式LINEからのメッセージは、受け取ってすぐに2割が開封し、3~6時間以内に5割が開封、その日のうちに開封するユーザーは何と8割にも上るのです。すぐに開封されないメルマガでは「本日〇割引」「本日限定販売」などといった即時性のあるメッセージは効果が薄いものの、LINE公式アカウントなら高い効果が挙げられるというわけです。
企業が公式LINEで集客をするメリットとは?
企業・店舗がLINE公式アカウントで集客するのには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
幅広い年齢層にリーチが可能
TikTokは10代から20代中心、Instagramは20代から30代の女性が中心に利用しているなど、SNSはそれぞれ中心となるユーザーの性別や年代に偏りがあるのが特徴です。ところがLINEのユーザーは10代から60代まで幅広いことが特徴の1つであり、どんな企業・業種・商材でも効果的にユーザーにリーチできるのです。
リピート客を獲得しやすい
リピーターに再来店を促す機能が豊富にあるのも、LINE公式アカウントのメリットの1つです。企業・店舗が開設する公式LINEアカウントを友だち追加することで、ユーザーがまた来店したい、利用したいと思える機能があるのです。
顧客とのコミュニケーションを強化できる
メルマガは企業・店舗が一方的に送信するのに対し、LINE公式アカウントは後ほど詳しくお話しする「チャット」機能でユーザー側からもメッセージを企業・店舗に向けて送信できるのがLINE公式アカウントです。
また、一斉に多くのユーザーにメッセージを送信するだけではなく、1人のユーザーとのメッセージのやり取りも可能となっています。来店予約を取ったり、来店のお礼をしたりとさまざまな活用方法で顧客とコミュニケーションを深めていけるのです。
無料で始められる
LINE公式アカウントを開設・運用していくに当たって、開設費用・初期費用ともにかかりません。メッセージの通数が増えると有料プランに加入する必要がありますが、とりあえずは無料の範囲内で気軽に集客手段の1つとして導入してみるといいでしょう。
集客に使える!LINE公式アカウントの機能とは?
LINE公式アカウントには、集客アップに使える機能が豊富に用意されています。具体的にはどのような機能があるのでしょうか。
メッセージ配信
LINE公式アカウントの「メッセージ配信」は、代表的な機能です。テキストはもちろん、画像や動画、さらにはスタンプやクーポンも配信できるので、視覚に訴えるコンテンツを送信してユーザーを楽しませたり、注目を集めたりできるのです。
ステップ配信
企業・店舗の公式LINEを友だち追加した時など、特定のタイミングで配信されるメッセージが「ステップメッセージ」です。あらかじめ決めたユーザーの行動をきっかけにして決められたメッセージを配信することで、一斉配信よりも反応率を向上できたりブロック率を下げたりできます。
チャット機能
一斉送信のメッセージではなく、通常のラインのように1対1で会話するチャット機能も使えます。そしてLINE公式アカウントなら、チャットをする顧客ごとにタグを付けたり、メモを付けたりができるのです。タグは「要対応」「対応済み」などのタグがあるほか、自分でも任意のタグが作れます。また、顧客管理をするのにメモ機能のある「ノート」も使えます。
リッチメニュー機能
トーク画面最下部にメニュー画面を固定表示させられる機能が、リッチメニューです。トーク画面をスクロールさせても最下部に固定されているので、ユーザーの目に留まりやすく使い勝手も向上させられます。
リッチメニューのボタンは各自で自由に設定できるので、たとえば「予約」「アクセス」「電話」などのボタンにすれば来店・購入などに繋げることが可能になります。
LINE公式アカウント開設から集客までのステップ
ここからは、LINE公式アカウント開設から集客につながるまでの流れをステップごとに紹介していきます。
LINE公式アカウントを開設
LINE公式アカウントを開設するには、数分あれば可能です。まずLINE公式アカウントの公式ページにアクセスしたら、「LINE公式アカウントをはじめる」をクリックします。次に「メールアドレスの登録」をクリックし、メールアドレスまたは個人のLINEアカウントを登録し、ログインすれば完了します。
各種設定
ログイン後は、各種設定を行います。企業・店舗の住所や電話番号などの「基本情報」や、友だち追加の際に表示される「プロフィール」、友だち追加時に自動配信される「あいさつメッセージ」などの各種項目を設定していきます。
友だち数を増やす
設定が完了したら、LINE公式アカウントを運用していきます。その際により効果を得るためには友だち登録者数を増やす必要があります。メッセージの送信などを行うと同時に、友だち数を増やしていきましょう。友だち数の増やし方は、次の章で詳しく解説していきます。
販促機能を活用する
メッセージの送信だけでなく、LINE公式アカウントに備わっている「クーポン」機能や「ショップカード」機能などさまざまな販促機能を活用していきましょう。さまざまな機能はどれも無料で利用でき、顧客にとってのメリットが大きいのが特徴なので、使わない手はありません。
LINE公式アカウントで効果的に集客!友だち登録者数を増やすには?
ここからは、LINE公式アカウントでの集客のために必要不可欠な、友だち登録者数を増やすコツを5つ紹介していきます。
広告を出稿する
LINE公式アカウントについての広告を出稿すれば、認知度を上げられ友だち登録者数を増やすことにつなげられます。広告を出すには費用が掛かりますが、せっかくLINE公式アカウントを始めたなら積極的にPRしましょう。
友だちに登録するメリットを訴求する
ただ友だち登録を促しても、ユーザー側に何かメリットが無ければ友だち登録する人は少ないでしょう。たとえば「友だち追加でドリンクサービス」「友だち追加で割引クーポン獲得」といった特典を用意すれば、友だち登録するユーザーが増えるはずです。
たとえばレジ前に「友だち登録すればその場で〇%オフ」といった文言とともに友だち追加できるQRコードを用意しておけば、会計時に友だち登録してくれるスムーズな流れができることでしょう。
WEBサイトやSNS、店頭での告知
実店舗なら店頭でのポスターやPOP、スタッフの声掛けなどで友だち登録を促せられます。また、自社のウェブサイトやSNSがあるなら、サイト内や投稿で宣伝するのも効果的です。その際には友だち登録へ進むリンクを貼って、LINE公式アカウントへの動線を作っておきましょう。この時にもリンクを貼るとともに友だち登録することでのメリットも合わせて記載することが大切です。
LINE VOOMに投稿する
「LINE VOOM」は、InstagramやTikTokのように、ショート動画や写真・テキストなどが楽しめる動画のプラットフォームです。友だち登録しているアカウントの動画はもちろん、レコメンドされる動画を見てフォローすることもできるので、そこから新規友だち登録者を獲得することが可能なのです。
さらにお気に入りの動画を拡散することもできるので、面白く自社をアピールするような動画を投稿すると爆発的に友だち登録者数が増えるかもしれません。
「認証済みアカウント」になる
公式アカウントの作成時には「未認証アカウント」ですが、LINE社の審査を受けて通過すれば「認証済みアカウント」にできます。認証済みアカウントになると、認証済みバッジのマークが付き、アプリ内検索をした際の検索結果に表示されるなどのメリットが得られます。認証済みアカウントになっても料金は一切発生しないので、審査を受けてみるのがおすすめです。
LINE公式アカウントで効果的に集客!友だち登録者にアプローチする方法は?
LINE公式アカウントの友だち登録者数が増えたら、次はその友だち登録者に対して次のように効果的にアプローチしていきましょう。
ユーザーと定期的にコミュニケーションをとる
友だち登録をしてもらったら、定期的にメッセージを配信し接触回数を重ねていくことが重要です。接点を多く持つほど親近感を持ってもらえます。
ただしあまりに頻度が高いと煩わしく思われてしまいがちです。1週間に1回、2週間に1回などと頻度を決めて、金曜の夜など曜日や時間帯も固定すれば、受け取ったユーザーもメッセージをチェックするのが恒例になるかもしれません。ただし、あくまで受け取ったユーザーが嬉しい・有益だと思えるコンテンツを配信することが大前提です。画像や動画を使って読みやすくしたり、クーポンを配信したりして、読みたくなるコンテンツ作りを心掛けましょう。
また、1対1のコミュニケーションも有効です。サービスや商品の相談や質問も、LINEならチャット感覚で気軽にしてもらえます。ウェブサイトの「お問い合わせ」よりも顧客のハードルが低く、答える側も迅速に対応できるのがメリットでしょう。
ユーザーの分析
公式LINEアカウントには分析機能があり、「友だち数の増減」「友だち追加数・ブロック数」「LINE VOOM閲覧数」「メッセージ配信数」「チャットの送受信数」「ショップカードやクーポンの利用状況」などがチェックできるようになっています。お客の属性や、興味関心について分析し、効果的な配信に繋げましょう。
セグメント配信を行う
メッセージは一斉に配信するだけでなく、各項目で顧客を分類し、ニーズに合った顧客グループのみに配信する「セグメント配信」も可能です。あまりにメッセージの頻度が高いと開封率も落ちてしまうので、セグメント配信と一斉配信を効果的に使い分けましょう。
ショップカードの利用を促す
リピート率を上げるには、「ショップカード」機能が有効です。来店や商品購入で付与したポイントを、LINE上で管理できる機能となります。紙製のショップカードやポイントカードと同じ機能ですが、スマホ内にあるので忘れる心配もなくしてしまう心配も不要です。
貯まったポイントごとの特典が用意されていれば、ポイントを目当てに再来店・再購入したいと思う人も増えるはずです。ポイントアップの日を設けるなどすれば、リピート率の大幅なアップも期待できます。
クーポンを発行する
ショップカードと同様に、クーポンも友だち登録者へのアプローチとして非常に有効です。友だち登録を促すのにクーポンは顧客にとって非常に魅力的であり、一斉配信のメッセージも、クーポンが添付されていると開封率が高いことが分かっています。「LINE公式アカウント限定クーポン」などと記載しておけば、ブロックされたり友だち解除されたりも少ないでしょう。
LINE公式アカウント運用のコツ
LINE公式アカウントでの集客方法をお話してきましたが、最後にLINE公式アカウント運用のちょっとしたコツを紹介していきます。
メッセージ配信の頻度と時間帯を考える
メッセージの配信に当たって、配信の頻度や時間帯についての検証は必須です。扱う商材やサービスによって、ターゲット層は異なるでしょう。たとえば学生をターゲット層にしているなら朝の通学時間帯や夕食後のほっと落ち着くくらいから寝るまでの時間がベストです。主婦をターゲットにしているなら家事が落ち着く10時から13時頃に配信すれば、見てもらえる確率が上がるでしょう。
配信頻度は、少なすぎも多すぎも効果的ではありません。多くの企業は週に1回から2回の配信を行っているので、1つの目安にしてみるのがおすすめです。
親しみやすいメッセージ
余りに堅苦しいメッセージは読まれにくいものの、軽すぎる印象も良い印象を与えません。親しみやすい文章を心掛けましょう。また、画像とテキストが同時に送れるリッチテキストにするなど、読みやすいものを工夫するのもおすすめです。
運用の目的や目標をはっきりさせる
LINE公式アカウントの運用を始めるに当たってまずはなぜ運用するのか、と言う目的や目標を明確にしましょう。たとえば新規の顧客獲得をしたいのか、リピーターを増やしたいのかで配信の方法も異なります。ターゲット層を明確にするのも必要不可欠です。
まとめ
LINE公式アカウントは無料で導入でき、多くの年代・ユーザーにリーチできる効果の高い集客方法です。多くの企業・店舗も利用している今、まだ導入していない企業・店舗はヤバいかもしれません。顧客にとってメリットが多いLINE公式アカウントをさっそく導入してみましょう。