インスタグラムとフェイスブックは、どちらもMeta社が提供するSNSサービスという共通点があります。ユーザー層や機能などに違いがありますが、親会社が同じであるこの2つのサービスのアカウントを連携させると多くのメリットがあるのです。
今回は、インスタグラムとフェイスブックのアカウントを連携させるとどのようなメリットがあるのか、また連携の方法、連携する際の注意点などを解説します。
インスタグラムとフェイスブック
インスタグラムとフェイスブックはどちらもSNSですが、ユーザー層や利用目的などの面で大きな違いがあります。ここでは、インスタグラムとフェイスブックの違いについて解説します。
インスタグラムとフェイスブックの違い
インスタグラムとフェイスブックはどちらも人気のSNSですが、この2つの違いはどのようなところにあるのでしょうか。
まずはユーザー層の違いがあります。インスタグラムは国内に約3,300万人のユーザーを抱え10~40代がユーザーの中心、男女比は男性42%:女性55%で女性の比率がやや高く、中でも10~20代の利用が多いのが特徴です。
一方フェイスブックはユーザー数が約2,600万人、30~40代が中心で男女比は男性34%:女性31%で男性の比率がやや高くなっています。
フェイスブックのユーザーは、おもにニュースや政治、イベントなど情報の取得および共有、家族や友人・同僚とコミュニケーションを図るための場所としてフェイスブックを利用しています。
一方、インスタグラムのユーザーは写真や動画など視覚に訴えるものを重要視しているのです。ユーザーの多くは最新のトレンド、流行を知るためにインスタグラムを利用しています。画像の質は非常に重要であり、インスタグラムを利用したマーケティングやプロモーションは、ブランドの認知度を高めたい場合や人気がどれくらいあるかを測りたい場合に効果的です。
ビジネスに利用する場合、ビジュアルで人を惹きつける商材であればインスタグラムを使った発信が効果的です。その場合、写真や動画の質の高さが求められます。また、インスタグラムではフォローしているアカウントの投稿しか流れないため、ハッシュタグで検索してさまざまな投稿を見ることになります。
つまり、商品のプロモーションをしようとするなら検索してもらえるようなハッシュタグをつけなければなりません。「いいね」の数や保存された数、シェアされた数なども重要で、投稿するコンテンツには、ビジュアル的な要素に力を入れるだけでなく、拡散・保存したくなるような有益な情報を入れることも必要です。
一方フェイスブックのユーザーは30~40代中心のため、その年代がターゲットである商品の場合はフェイスブックを活用しましょう。仕事をしている人が多いことから、投稿するのにおすすめなのは出社前の朝や帰宅後~就寝前の夜間の時間帯です。
インスタグラムとフェイスブックを連携するメリット
インスタグラムとフェイスブックを連携させることでインスタグラムの機能がフェイスブックで使えるようになります。また、どちらか一方しか利用していないユーザーに対してもアプローチが可能となるのです。より広い範囲へ発信が可能となり、新たなユーザーと接触する機会を増やせます。
SNS運用・管理の簡略化
連携することによって、同時投稿や連動して管理することが可能になります。同時投稿機能を利用すれば、同じ内容を同じタイミングでシェアでき、フェイスブックからインスタグラムに寄せられたメッセージやコメントを確認できます。
また、インスタグラムの過去の投稿をフェイスブックに投稿したり、インスタグラム上で加工した写真をフェイスブックにアップしたりすることも可能です。SNSの管理・運用にかかる時間を省略できると、更新に割ける時間が増えるため更新の頻度が上がります。
マーケティングやフォロワーを増やすためには更新の頻度は重要です。管理や運用の手間が省けると宣伝効果の増大および販売拡大につなげられるのです。
拡散力が大きくなる
インスタグラムは共有機能を使う人は少ないのですが、連動設定でフェイスブックのシェア機能が利用でき、より多くの人にアピールすることが可能です。フェイスブックではシェアするユーザーが多く、インスタグラムでは反響が少なかったコンテンツでもフェイスブックではシェアされる可能性があります。
また双方のユーザーに情報が触れることでフォロワーが増えたり、閲覧数が増えたりするのです。インスタグラムは投稿を基本的にフォロワーしか見ないためフォロワー以外に見られる可能性が低くなります。
しかし、フェイスブックと連携することによってフェイスブックを経由してくるユーザーもおり、より多くのユーザーに投稿を見てもらえる期待ができるでしょう。ただし、前項で触れたようにインスタグラムとフェイスブックではユーザー層が異なるため効果を得られないこともあるのを知っておきましょう。
フォロワーが増えやすい
インスタグラムとフェイスブックの連携によりフォロワーが増えます。その理由は、フェイスブックの友達やフォロワーがインスタグラムを使っているとインスタグラムのアカウントが「おすすめ」として表示されるからです。
インスタグラムの投稿はシェアされることが少ないためフォロワー以外へ知ってもらうことは簡単ではありませんが、「おすすめ」として表示されれば新しいフォロワーの獲得につながるでしょう。
予約投稿機能が使える
フェイスブックには予約投稿機能がありますが、インスタグラムにはありません。しかしインスタグラムはフェイスブックと連携することで「クリエイタースタジオ」という機能が使用可能になります。これはインスタグラムでも投稿時間を予約できるようにしたり、データ分析や広告の出稿などを管理できたりするものです。
ショッピング機能が使える
インスタグラムのショッピング機能は投稿した画像をタップするとその商品の情報が表示され、商品の詳細がわかるECサイトへ飛べるもので、購入側の手間が省け売上アップにつなげられると注目される機能です。
インスタグラムとフェイスブックの連携で、商品に埋め込むECサイトへの誘導や商材の追加や削除といった管理業務を、フェイスブック上でできるため省力化が期待できます。
幅広いターゲットへアプローチできる
フェイスブックのユーザーは30代~40代のビジネスマンが多く、インスタグラムのユーザーは20代から40代の女性が中心ですが、最近は男性の利用者も増加しています。ユーザー層の属性が異なるため、することによってこれまでと比較してより幅広いターゲットへのアプローチができるでしょう。
インスタグラムで広告を出稿・管理が可能
「フェイスブックビジネスマネージャ」や「クリエイタースタジオ」などを使用して、インスタグラムとフェイスブックの広告の出稿や管理ができます。広告の出稿についてインスタグラムのみ、またはフェイスブックのみなど選択でき、管理機能を活用すれば広告の管理の省力化が可能です。
商品や内容によってより効果の出る方を選択できるようになり、無駄な作業の削減やコストダウンが可能となるでしょう。
フェイスブックの友達をインスタグラムで見つけられる
連携させるとインスタグラムでフェイスブックの友達を見つけられます。インスタグラムの個人アカウントでも可能な機能で、連絡先情報の共有によりフェイスブックのユーザーに、簡単にインスタグラムのアカウントを知らせることが可能です。
インスタグラムとフェイスブックの連携方法
ここからはインスタグラムとフェイスブックを連携するにはどうしたらよいかついて解説します。連携はインスタグラムからでも、フェイスブックからでも設定できます。
フェイスブックから連携する場合
フェイスブックから連携する場合、スマートフォンのアプリではできないためブラウザを利用して行います。
【フェイスブックからの連携方法】
1.ページ右上の「アカウント」をタップし「設定」を選択
2.「アカウントセンター」を選択
3.「プロフィール」から「アカウントを追加」を選択
4.追加するアカウントを選択してログイン
インスタグラムから連携する場合(個人アカウント)
インスタグラムではスマートフォンのアプリからのみ連携できます。Android、iPhoneで操作の違いはありませんが、連携のためにはフェイスブックの管理者であることが必要です。
【インスタグラムからの連携方法】
1.アプリの「プロフィール」画面の右上3本線をタップ
2.歯車の「設定とプライバシー」をタップ
3.「アカウントセンター」→「プロフィール」を選択
4.「アカウントを追加」で連携したいフェイスブックのアカウントでログイン
インスタグラムから連携する場合(ビジネスアカウント)
インスタグラムとフェイスブックのビジネスアカウント(プロアカウント)がある場合は、ビジネスアカウントのページからの連携も可能です。
【ビジネスアカウントを利用した連携方法】
1.プロフィール画面を開き「プロフィールを編集」をタップ
2.「ビジネスの公開情報」「ページ」をタップ
3.アカウントがない場合は「Facebookを作成」、既存のアカウントと連携する場合は「既存ページをリンク」をタップ
4.連携したいページを選択したら元の画面に戻って設定したフェイスブックページ名が「ページ」欄に表示されていればOK
連携後に必要な設定
連携した後にすべての投稿を連携するもしくはその都度選択できるかを設定できます。インスタグラムとフェイスブックではユーザー層に違いがあり、また扱う商品によってターゲットが異なる場合もあることから、その都度選択できる設定にした方が良い場合もあります。
投稿をすべて連携する場合は「設定とプライバシー」→「アカウントセンター」「コネクテッドエクスペリエンス」の「プロフィール間のシェア」→「シェア元」のアカウントをタップ→「シェア先」のアカウントをタップします。トグルボタンで設定のオン、オフを切り替えます。
投稿の度に連携するには、インスタグラムアプリを起動し写真や動画をアップロード、もしくは撮影して投稿画面に進みます。タグおよびキャプションをつける画面で下の方にある「Facebookでシェア」を選択するとフェイスブックにも投稿されるのです。また、インスタグラムで過去に投稿した画像などをフェイスブックで投稿するには、シェアする投稿をタップし右上の「…」をタップ→Facebookを選択します。
連携によるデメリットは?
インスタグラムとフェイスブックの連携によって起きる可能性があるデメリットについてご紹介します。
フォロワーが減る可能性がある
インスタグラムとフェイスブックの連携は、ターゲット層を拡大できますが同時に絞りこみにくくもなります。それまでのフォロワー向きではない情報が増え、結果フォロワーが減る可能性があります。
アカウント停止のリスク
インスタグラムやフェイスブックで情報を発信したり集客したりするには、それぞれの規約を守らなければなりません。違反したつもりがなくても連携したことで規約違反を疑われるとアカウント停止、凍結の恐れがあります。それぞれの規約を確認し、アカウントが凍結されないよう、より注意深く運営・管理する必要があるでしょう。
裏アカウントが連携される可能性がある
フェイスブックのアカウントは原則として一つだけとなっていますが、インスタグラムでは複数アカウントの作成が可能です。インスタグラムでは本アカウントとサブアカウントがある利用者が多いでしょう。複数アカウントがある状態でフェイスブックと連携した場合、サブアカウントと連携されて裏アカウントが明らかになる可能性があります。
間違いがあったときのリスク
インスタグラムとフェイスブックは連携すると同時投稿が可能ですが、その分もし投稿でミスをした場合、両方で間違った投稿を見られます。見ているユーザーが多い時間帯に投稿すると、ミスをした投稿を見られる人数や回数が増えることになります。投稿は注意深くする必要がありますが、連携したらさらに慎重にしなければなりません。
ユーザー層の違いに注意
すべての投稿が連携される設定になっている場合は、フェイスブックのページに画像はもちろん、キャプションやハッシュタグもインスタグラムの投稿がそのまま投稿されます。
インスタグラムに適したキャプションが記載された投稿がシェアされた場合、フェイスブックのユーザーには合わないこともあります。その点に注意しながらインスタグラムの投稿をシェアしましょう。
インスタグラムとフェイスブックの連携ができないとき
インスタグラムとフェイスブックの連携が設定してもできない場合に考えられる、原因と対処法について解説します。インスタグラムとフェイスブックの連携がうまくいかない場合、原因として考えられるものにはアプリの不具合やアップデートされていない、アカウントに問題がある、 スマートフォンのOSのバージョンアップができていない、電波状況が良くない、サーバーエラーなどがあります。
アプリのアップデートを確認し、最新のものにアップデートしましょう。アップデートしても連携できない場合はアプリを一度削除し、再度インストールし直してみましょう。またアカウントに問題がある場合はログインしなおしてみます。それでも解決しない場合は、これまでの投稿に規約違反がないかチェックしてみてください。気づかないうちに違反と判断され、制限がかかっていることがあります。
またアプリだけでなく、スマートフォンのOSのバージョンが古い場合はバージョンアップをしましょう。OSが新しくても連携がうまくいかない時は、スマートフォンの再起動も試してみてください。電波状況が良くないこともうまく連携できない原因になります。Wi-Fiなどの回線の状態をチェックして、電波が弱い場合は改善の必要があります。サーバーエラーの場合はユーザー側では手の施しようがないため、運営側の対応をしばらく待つしかありません。
連携の解除方法
連携を解除する場合の手順は連携するときとほぼ同じです。プロフィール画面の「≡」から「設定とプライバシー」→「アカウントセンター」を選択→「プロフィール」をタップし、「アカウント」から連携を解除したいアカウントを削除しましょう。同時投稿を解除する場合は、「アカウント」から「他のアプリへのシェア」→シェアしたいアカウントを選択、「自動的にシェア」をオフにします。
フェイスブックからの解除方法はフェイスブックを開き、「設定とプライバシー」「設定」をタップし、「アカウントセンター」→「アカウントとプロフィール」→「フェイスブック」→「アカウントセンターから削除」を選択します。
まとめ
インスタグラムとフェイスブックの連携は同時投稿や運用・管理の省力化を可能にし、SNS更新のペースを上げられるメリットがあります。インスタグラムから、またフェイスブックからユーザーが相互流入することで、フォロワー数アップなどそれまでとは異なる新しい客層へのアピールが可能となり、より大きな宣伝効果が期待できるでしょう。