「Web集客」とは、インターネットによるさまざまなコンテンツやサービスを、インターネットを通じて顧客を集めることを言い、さまざまな方法があります。
とくに今回は初心者向けの内容として、Web集客で効果的な方法やそのポイントについて紹介します。集客の方法がよくわからないという方は、ぜひともご一読ください。
※本記事は2024年7月24日以前に執筆されたものであり、SNSのX（エックス）をTwitter（ツイッター）と記載しています。
次第に重要度を増すWeb集客
Web集客の機会は年々増加しています。電通の調査結果によると、広告として使用する媒体について、2019年にインターネットがテレビの割合を抜きました。その後もそれらの差は開き、2020年から2022年にかけての広告全体に対する媒体別広告額では、インターネットが36.2％から43.5％と上昇しています。
それに対して、テレビが26.9％から25.4％と下落傾向となっています。Webはあらゆる世代が利用しているため、どのようなコンテンツやサービスにも有効です。今やWeb集客は、顧客獲得のためにはなくてはならないものとなっています。
高い効果が望めるWeb集客のメリット
現在では一般的となったWeb集客ですが、それを行うメリットは以下の通りです。
費用対効果が高い
他の広告媒体と比較してWeb集客の最も特徴的なのは、「費用対効果が高い」という点です。Web広告は、悩みを解決したい人や、知りたいという欲求に対しての答えを与えるものです。そのため、広告を見る人にマッチしたサービスであることが多くなり、それにより成約率を高められます。
コストを抑えた集客が可能
Web集客はインターネットを通して行うため、従来の紙や看板などの物理的な媒体が初期費用として必要ありません。なかにはサイトやブログを利用するため、サーバーやドメインの使用料が必要な時もありますが、かかったとしても安価です。また、サイトやブログに詳しい人がスタッフでいれば、自社で切り盛りができて費用が発生しません。
24時間365日集客が可能
インターネット上に出現する広告や記事ですので、時間に縛りはありません。また、インターネットはPCが故障したりメンテナンスをしたりしない限り24時間稼働しています。そのため費用対効果が高くなるということにもつながっています。
幅広い層にリーチできる
総務省によると、2021年におけるインターネットの利用率は、全体の82.4％にのぼり、何らかのモバイル端末を所持している人は97.3％（スマホ88.6％、PC69.8％）にもわたっています。誰もがインターネットによるコンテンツや広告を目にしていることになります。
この数字は、あらゆる世代が利用していることを意味しており、どの年代向けのコンテンツや商品もWeb集客の対象となり得るでしょう。
集客の方法についての分析をしやすい
Web集客では、アクセス解析ツールを利用して、視聴者や顧客の動向を追跡可能です。そのデータとは、いつ、どこで、どのような行動を起こしたのかという詳細なものです。
また、顧客の個人データを得られるという大きなアドバンテージがあります。これらのデータを受けて、特定の顧客に対してより高い効果のある働きかけをすることも可能です。こうして、ただ広告を垂れ流すだけの方法と比較して、より効果的な集客を可能にします。
リアルタイムで情報を更新できる
従来の広告は、出すまでに時間がかかります。たとえば新聞に折り込むチラシの場合は、デザインから始まり制作し、そこから印刷、折り込みといった作業を行う必要があるため、時間がかかってしまいます。またその後の訂正や更新がしづらいのも難点です。
しかし一方のWeb集客では、ソースが決まりさえすれば、すぐにでもそれを発信できます。ですからサービス内容の変化にも対応しやすく、たとえばタイムサービスや限定商品の案内なども手軽にできます。このようにして、多くの人の関心やニーズに応えられるでしょう。
また、万が一発信内容に間違いがあったとしても、すぐに訂正をして、すぐに正しい情報を提供できます。
初心者は知っておきたい、Web集客の方法
では、どのような方法でWeb集客は行うのでしょうか？これにはさまざまな方法があり、それらを組み合わせて行うことも多いため、Web集客を考えておられる方や、これから学ばれる方は、必ず知っておかなければならない内容です。
SEO対策
Web集客を行っていくためには、SEO対策は避けては通れないでしょう。SEOとは「検索エンジン最適化」のことであり、Googleの検索で、より上位に表示されるための施策のことをいいます。
なぜ必要なのかというと、検索をする人の中には、何らかの問題や悩みを解決したい人がいるからなのです。もしその会社が提供する情報が、検索者の悩みとマッチしたときに、商品やサービスの購入につながりやすいのです。
また、新規で発信内容に触れる人も起こしやすいという働きもあります。SEO対策をより効果的にするためには、商品やサービスのターゲットを明確にし、その人のニーズや持ちそうな悩みの内容、そしてそれに対する解決法を提供できることが示されることが必要です。
リスティング広告
Googleなどの検索エンジンで、あるキーワードについて検索を行った場合、検索結果の最も上の部分には、「広告枠」が来ます。ここにある広告を「リスティング広告」といいます。
前述したSEOは無料であり、その記事の内容が純粋に検索エンジンに認められた順に表示されます。しかし、リスティング広告は有料です。リスティング広告の費用は、定められた単価（キーワードによって異なります）とクリック数によって定められた金額となります。
SEOと比較してのデメリットは、もちろん有料であることですが、メリットはそれだけ早く検索上位に自社記事を載せることが可能であるということです。スピード感をもって商品やサービスを紹介したい、できるだけ多くの人の目に触れさせたい時には有効です。
MEO対策
MEOとは、Googleマップで検索する際に、上位表示させるための施策をいい、日本語では「マップエンジン最適化」と訳されます。店舗ビジネスを行う場合や、地域情報を発信する際に必要なものです。別名「ローカル検索」「ローカルSEO」ともいいます。
店舗を検索するのにスマートフォンを使用する人が多いため、MEOの対策のしかたによっては、顧客の獲得に差が出るようになりました。実店舗を経営する人が注目するようになって、今後競争が激しくなることが予想されます。
SNS
TwitterやFacebook、Instagramなど、現在ほとんどの方が何らかのSNSを利用しています。年代・性別・プラットフォームの特徴や長所がそれぞれで異なってはいますが、近年店舗や企業がSNSのアカウントを開設して、情報の発信を行うことで集客につなげる動きが活発化しているのです。
SNSはフォロワーを獲得することにメリットがあり、発信された情報が魅力的であれば、それを見た人が拡散をして、さらに情報に触れる人を増やせます。
SNS広告
SNS広告とは、SNSのTL（タイムライン）に広告を載せられる機能です。さまざまな人が投稿しているものの中に、広告が紛れ込む形にできるので、しつこいイメージを与えずに情報をアピールが可能です。
この広告は、プロフィールを見て情報を配信するかどうかを自動で決定するため、プロフィール欄が充実していない場合は的確に情報が発信されない場合もあります。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、サイトやアプリで表示される広告枠のことをいいます。ここから自社のサービスの画面に誘導させられます。
ディスプレイ広告の場合は、発信したいサービスと強い関連性がない人にも幅広くサービスを訴求できるところが特徴です。潜在的なニーズを持つ人を掘り起こすのに適した広告といえるでしょう。
基本的に有料であり、クリック課金制となっています。1日間の広告費の上限を設定できるので、予算に不安がある人はそれを利用すると良いでしょう。現在、ディスプレイ広告はGoogleとYahoo!の2つが提供しています。
アフィリエイト広告
自社の商品を、ASP（アフィリエイトサービスプロバイダー）を通して、アフィリエイターが自らのWebメディアから訴求することで、購入につなげる方法を取る広告です。アフィリエイターがあくまでも広告し、実際に購入が行われたり、クリックされたりしたときにアフィリエイターに対する報酬が発生する仕組みになっているので、広告費がかかりすぎることはありません。
報酬額は広告主が決めて良いことになっています。集客をしたい側からすれば、人集めはアフィリエイターが行ってくれ、またアフィリエイターを探す労力もASPが行ってくれるため、発信者としては何も作業をする必要はありません。
記事広告
記事広告とは、商品やサービスを記事の形にした広告を指します。商品やサービスの属性に合った読者が多い読み物・動画などの媒体にその記事を掲載して、マッチした人に効果的に伝えられます。そのジャンルに関心のある人に伝えられるため、より踏み込んだ訴求やアピールができるでしょう。
媒体としては、ニュースメディア・専門のジャンルのメディア・ライフスタイル系のメディアなどが主な掲載先です。専門性の高い記事が書ける分、記事のコンセプトは明確にする必要があります。この方法は費用としては高くなりますので、細かな戦略を立てることが重要です。
ポータルサイト
ポータルサイトは、食事・美容・住宅などの、ある特定の分野特化型のサイトのことを指します。ポータルサイトは数多く存在しますが、サイトの充実度でユーザーが左右されますので、クオリティや予算などを総合的に判断して選択すべきです。
ポータルサイトを利用するメリットは、店舗がまだ日が浅くても集客が可能であること、アクセス数を稼げること、ユーザーのデータを集められることです。一方で頻繁にデータを更新する必要があること、費用がかさむ場合があるので、バランスを考え続けなければならないなどといったデメリットもあります。
オウンドメディア
オウンドメディアとは、企業や会社が独自で所有・運用しているメディアのことをいいます。たとえば企業のコーポレートサイトや自社で作成しているブログが該当します。
オウンドメディアを利用するメリットは、ターゲットによってコンテンツを自由に組める点です。まだ商品やサービスを知らない人には、それをわかりやすく説明でき、すでに商品を知っている人にはさらに購買につなげるアプローチも可能です。
しかし、コンテンツを継続的に提供し続けたり、運用の仕方を熟知しておいたりする必要があるのも事実です。いずれにしても、オウンドメディアは何を目的・目標とするのかを明確にして、読者の特性や状況・ニーズをよく見極めていかなければならないでしょう。
Web集客を効果的に行うためのポイント
Web集客の方法はこのようにさまざまあることがわかります。そのうちのどの方法を利用するかはジャンルや規模、目的などによって異なります。しかし、ノウハウなどに囚われていては、効果的な集客どころか、的外れな行動に終わってしまう可能性もあります。次に、Web集客を行う上でのポイントについて紹介します。
明確なペルソナ設定
情報を発信する時は、やみくもに一方的に発信しても意味はありません。自社の商品やサービスを利用してもらいたい人として、どのような人を想定するかという「ペルソナ」をはっきりと設定することが重要です。
その人は男性なのか女性なのか、世代はどのあたりか、その人がどのようなライフスタイルの上で立っているのか、その人が今満たされないことがあるとすれば、それは何か…などです。誰に、というイメージを限定してしまうと対象となる人が減ってしまって宣伝が伝わらないのでは？と思ってしまいますが、むしろ限定した方が想定にピッタリ合った人が行動を起こしやすくなり、効果的なのです。
業種の特徴を生かす
どのようにして集客を行うのかは、業種によっても異なってくるでしょう。
たとえば美容系の店舗であれば、メイクの商品でいいものはないかという悩みに答えたければ「化粧水＋おすすめ」「ファンデーション＋口コミ」などが良いでしょう。美容師で有名な人を知りたければ「カリスマ美容師＋渋谷」、この夏に流行しそうなヘアスタイルを知りたければ「夏＋ヘアスタイル＋流行」など、キーワードを前面に押し出してブログをたくさん書くと、読者も興味を持ってくれるでしょう。
飲食店の場合は、リスティング広告でその料理をわかりやすくかつインパクトの強いキャッチフレーズを載せることもできます。また、おしゃれな店内の雰囲気、料理の見た目などをSNSにアップしていくと、お店を訪れたくなる人も多く起こされるでしょう。
ホテルや旅館の場合は、「女子会の旅」「カップル旅行」「家族旅行」「ひとり旅」など、人数にまつわるキーワードでも良いでしょう。「自然に触れあう旅」「歴史を訪ねる旅」「おしゃれな街歩き」などの目的ごとに紹介をしていくコンテンツを作ると良いでしょう。そのように、利用者を分けて、それぞれが満足できる価値を伝えられるような情報を発信しましょう。
どの伝達法が強いのかを考える
自社の商品やサービスを伝えるには手段が必要です。どのように伝えるのかを考えるとき、それが文章によってなのか、動画か、画像か、長さはどうかなどの判断はとても重要です。
たとえば美容系の内容を文章でつらつら書いたとしても誰も読んではくれないでしょう。情報に触れてくれる人に最も伝わる方法で発信をしなければなりません。
また、SNSで伝えるにしても、Twitterなら文章、Instagramなら動画や画像が効果的であることはよく言われています。SNSの場合はさらに見る人の性別や年代層が分かれますから、それも判断しなければならないところです。
さらに広告を載せる場合、キャパシティと伝えたい情報量とを天秤にかけることも大切です。伝えても内容が薄ければ良くありません。しっかりと発信したいことが伝えられる内容と分量を意識しましょう。
コンテンツは必ずスマホでチェック
現在コンテンツを見るのがスマホであるという人が大多数となっています。しかし、実際はクオリティの高い発信内容を作成するために使用するのはPCでしょう。ブログやサイトをはじめ、発信内容は、完成後はまずスマホでどのように表示されるかを確認してみることをおすすめします。
文字がきちんと入って見やすいか、最初の1画面分の情報量は、一番見せたいものが入っているか、文字などの大きさは適当かなど、細かくこだわれるコンテンツは、多くの人が見ても魅力的に感じます。ここのチェックが雑だと、どのように意味のある内容であったとしても、きちんと見てくれない可能性が高いでしょう。しっかりと手を抜かないことが大切です。
まとめ
今や誰もがネットを通じてさまざまな情報を得る時代にあって、多くの企業や店舗がWeb集客を重視する時代になってきました。Web集客にはさまざまな方法があり、発信法がありますが、最も大切なことは「何を」「誰に」「どのように」伝えるのかといった戦略でしょう。個人でさえも発信をする時代ですから、質の低いコンテンツは埋もれていくばかりです。
効果的に人々に情報を発信していくポイントを押さえながら、より読者の心を動かす集客ができることを願っております。
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